アナ・アナ「W録」も可能なデジタル放送世代の新ハイエンド「RD-X6」:レビュー(5/5 ページ)
RDシリーズの事実上の新ハイエンドモデル「RD-X6」が登場した。「RD-X5」の備えていたアナログ放送の「W録」機能はそのままに、デジタル放送対応を果たしたのが特徴。「デジ・アナ」同時録画だけでなく「アナ・アナ」同時録画も可能だ。
ダビングしたDVDメディアは、すべて自己再生、複数のPCによる再生、Playstation 2の再生を問題なくクリアしたものの、エラーレートの計測結果は結構高めであった。今回は「RD-X6」「RD-XD91」ともに試作機段階での評価のため参考値ではあるが、「RD-XS57/37」世代以降で採用されているDVD-R DL対応のDVDドライブはどうも最高速でのダビング品質があまり芳しくないのも事実。PIFの発生に関しては計測環境との組み合わせの問題と思われるが、競合製品となるソニー「RDZ-D90や」パイオニア「DVR-DT90」などと比較するとPIE/POEともに気になる数字だ。恐らくDVDドライブが自社製ではないという点でコントロールしにくい部分もあるとは思うが、最終的にはダビングしたDVDメディアが財産となるだけに、DVD-Rであれば4倍速となる静音モード以外にも、ダビング速度をユーザーに委ねるといった対応も考慮してほしいと思う。
三菱化学メディア製の4倍速対応DVD-R DLメディア。2層目のほうがエラーレートが低い点はRD-XS57と共通。こちらも、書き込み品質の改善を望みたい。なお「RD-XD91」でダビングを行ったメディアもほぼ同じ傾向を示したので、計測結果は省略させて頂く
RDシリーズを包括した強力なデジタル放送対応モデル
「RD-X6」の魅力は、旧モデルとなる「RD-X5」の機能……つまりアナログ放送の録画を前提に設計されたハイエンドDVDレコーダーの機能を全て包括しつつ、デジタル放送対応を果たしたことだ。厳密にいえば、アナログBSチューナーが省略されてしまったわけだが、これはコストを考慮すれば仕方ない部分だろう。また「RD-X5」と比較した場合、デジタル放送への対応以外に地上波アナログ放送での「番組おっかけ」「スポーツ番組延長」対応も追加されており、地上波アナログ放送の録画機能に関しては手抜きがないどころか、むしろ強化されている。
アナログ放送/デジタル放送の取り扱いに関しても、ユーザーインタフェースの統合はもっとも進んでいて、この点では競合製品の一歩先を行っている印象だ。予約録画の中断がようやくリモコンで可能になるなど、ユーザーインタフェースは細かな点の改善が進んでいる。
従来製品では、予約録画を停止するときに本体の停止ボタンを2回押す必要があったが、リモコンの停止ボタンで止められるようになった。もちろん先に確認画面が表示され、ちょっとした誤操作で録画中止されないように配慮されている
価格も機能相応で、「デジタル放送対応のDVDレコーダーが欲しい!」という人全てにお勧めできる製品ではない。地上波放送も録画した大半の番組は「見たら消す」といったスタイルであれば、ここまでアナログ放送の録画にこだわった製品はいらないだろう。反面、録画した番組を残すなら、録画番組の保存の自由度が高いアナログ放送の録画に長け、さらにデジタル放送をTS録画した番組もi.Link経由でムーブが行えるRD-X6は魅力的だろう。次世代DVDドライブ搭載のDVDレコーダーにムーブし、クオリティを落とさずに次世代DVDメディアへ保存できるようになるはず。番組を「残す」ことを重視する人にとっては、極めて魅力的な製品である。
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