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実用化に向け加速するPLC2006 International CES

映像コンテンツの家庭内伝送路として、PLC(電灯線ネットワーク)が現実味を帯びてきた。パナソニックは北米でのPLCアダプターの販売を決定したほか、シャープもデモを行っている。

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 パナソニックのブースでは、HD-PLCによる高速電灯線ネットワークのデモが行われている。導入に必要なアダプター「BL-PA100A」は既に北米地域での価格まで決定しており、2006年はいよいよ電灯線ネットワークが本格的な普及に向けて動き出しそうだ。

 HD-PLCはホームネットワークでの利用を想定したもので、アダプターの電源ケーブルをコンセントに差し込むだけで、家中に敷設されている電灯線を最大190Mbpsの伝送路にする。同社では「最大190Mbpsの“高速性”」「設定にPCなどを必要としない“容易さ”」「断線などの危険性が低い運用上の“安定性”」の3つをメリットとして挙げる。

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無線LAN(IEEE 802.11a/g)に対するHD-PLCの優位性
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北米で3月より販売されるHD-PLCアダプター「BL-PA100」。価格は1つ149ドル。2つセットで199ドル

 デモではハイビジョン映像の伝送、PCを使った監視カメラの映像伝送、Xbox 360を使ってのコンテンツ伝送などがHD-PLCのネットワーク上で稼働していたが、すべてを足しても利用される帯域幅は40Mbpsほどで、「190Mbpsというキャパシティは家庭内で利用する分には十分と考えている」というのも頷ける。QoSも実装しているので、IP電話のようにリアルタイム性が求められるアプリケーションを優先的に伝送させることが可能だ。

 HD-PLCのマーケティング方法については、「ロイヤリティが発生する規格として推進することは考えていない。あくまでもHD-PLCは技術の総称という位置づけとし、アダプターやモジュール、チップセットを外販するビジネスを構築したい」としている。

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アダプター/モジュール/チップセットを外販するビジネスモデルを構築する
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HD-PLCチップセットを内蔵したネットワークカメラ

 シャープのブースでもPLCを使用したデモが行われている。しかし、パナソニックのように高速性や汎用性をうたう内容ではなく、液晶テレビ「AQUOS」の高付加価値版として参考展示されているネットワーク機能を持った「Network AQUOS」の一部としてだ。

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Network AQOUSで、アメフトの試合を見ながら流しながらブラウザでチーム情報を確認

 Network AQUOSは、Webブラウジングのほか、LAN上にあるPCやレコーダーに収納されているコンテンツを表示/再生することができる。ブースでは、隣室のレコーダーに収納されているコンテンツを再生するというデモが行われていたが、物理的なネットワークはイーサネットではなく、PLCが用いられていた。

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LAN上のコンテンツを参照
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隣室に設置されたPLC接続のレコーダー

 同社は、昨年の「CEATEC JAPAN 2005」でPLCモジュールを参考展示したほか、昨年のInternational CESではHD映像の伝送用として無線はUWB(Ultra-Wide Band)、有線はPLCを検討すると述べており、ちょうど1年前のコメントが現実のものとなった格好だ。

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