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「MacBook Pro」の気になるトコロ(2/2 ページ)

Intelチップを搭載したことで、MacユーザーのみならずPCユーザーからも熱い視線を浴びる「MacBook Pro」。しかし、初めてのチップだけに気になる部分も多い。都内で開催されたアップルの基調講演イベントで話を聞いた。

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 「Rossetta」(ロゼッタ)によるPowerPC用アプリのエミュレーション速度も気になるところだ。ユニバーサルアプリが少ない状況では、「ほとんどのPowerPC用アプリケーションをシームレスに利用できるトランスレーション技術」であるRossettaが重要な役割を果たすかもしれない。ただ、トランスレーションとか、エミュレーションといった言葉を聞くと、どうしてもPowerPCの初代機でx68Kアプリを動かしたときの記憶が蘇ってしまう。あれは新チップの存在意義を疑ってしまうほど遅かった。

 また今回の基調講演では、ジョブス氏がRossetta上で動くアドビ「Photoshop」をデモしながら、「パフォーマンスは、プロ向けとはいえないかもしれない。しかし“たまに使う人たち”にはいい」と微妙な表現をしていた。Rossettaの動作速度に関しては、以前から「従来の80%程度」といわれてきたが、思うようなパフォーマンスを発揮できていないのだろうか?

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Rossetta上で動く「Photoshop」のデモ。キングコングをひょいひょいと動かしていたが、やはりPowerMac G5などと比べると見劣りする

――Rossettaのパフォーマンスは上がっていますか?

 「アプリケーションや処理によりますが、PowerBook G4の50〜80%のスピードで動くことが多いようです」

 こちらも微妙な表現だ。この後は実機によるレビューなどを通じて確認していくことにしたい。

Windowsは動くのか?

 インテルチップ搭載Macが実現したことで、やはり気になるのはWindowsが動作するか? という点。仕事用のWindowsとプライベート用のMac OS(逆もアリ)をスマートなノートPC一台で使用できるとなれば、Macユーザーならずとも魅力的。引き続き福島氏に聞いた。

――Windows、動きます?

 「アップルとしてはWindowsの動作について関知しないし、サポートもしません。ただし、Mac上で(Windowsを)動かなくするような、特殊なことをするつもりもありません」。

 少なくとも、アップルが当初のスタンスを崩していないことは分かった。

 ただ、MacBook ProはBIOSを搭載していない。ハードウェアの起動に使われるのは、事前の予想通りインテルのEFI(Extensible Firmware Interface)となった。そしてEFIによる起動はOS側の対応が必要。Windowsの場合は、2006年後半に登場する「Windows Vista」(Longhorn)からサポートする予定だ。

 発売が年末にずれ込むといった噂が絶えないWindows Vistaだが、とりあえずはマイクロソフトにがんばってもらうことになりそうだ。もう1つの方法は、「Virtual PC」のようなエミュレーションソフトが対応することだが……これもマイクロソフトだった。

バッテリー駆動時間はどこにいった?

 最後に、もう1つ確認しなければならないことがある。

 「MacBook Pro」には、PowerBook G4と同様にリチウムポリマーバッテリーが採用されている。容量は60Whで、これはPower Book G4の55Whよりも大きい(ちなみにACアダプタも少し大きい)。しかし、スペック表を眺めても、バッテリー駆動時間に関する記述が見あたらないのだ。

 ――何時間くらい動きますか?

 「まだ製品版ではないので、正確な数値は出ていません」。

 スペックが確定していないのに予約開始って……大胆な。

 考えてみれば、WindowsのIntel Core Duo搭載ノートも先週の「2006 International CES」でお披露目されたばかり。製品レベルのスペックを公表しているメーカーは少なく、アップルがバッテリー駆動時間を確定できていないのも無理はないかもしれない。

 ちなみにYonahには、低電圧動作のL2キャッシュのほか、「Enhanced Intel Deeper Sleep」「Intel Advanced Thermal Manager」といった新しい電源管理機能が実装されており、CPUの負荷状況に応じて片方のコアを休ませたり、キャッシュサイズを動的に変化させることができる。これらの省電力機能がMac OS Xでも生かされていれば、バッテリー容量のアップと合わせて長時間のバッテリー駆動が期待できる、はずだ。

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