TVチューナー付きで2万円台のポータブルDVD「axion AXN 4709TN」を試す:レビュー(2/2 ページ)
「axion AXN 4709TN」は、TVチューナーユニットが付属して実売価格が2万円台半ばという、高いコストパフォーマンスを持つポータブルDVDプレーヤーだ。発売は2005年5月と少し古いが、年末に新色の「ブラック」を追加して再び注目を集めている。その実力をチェックしてみた。
操作性については、良い点と首を傾げる点をそれぞれ見つけた。たとえば、本体操作部にある「WIDE」ボタンは、一発で4:3と16:9のアスペクト比を切り替えることができて便利だ。またリモコンの「音声」ボタンを押すと、DVDの再生中でも音声チャンネルを変更可能。ボタンを押すたびに、たとえば「英語5.1CH」「日本語5.1CH」「日本語音声解説」などのように切り替わる。ワンタッチでアスペクト比や音声を変えられる分かりやすい操作感はポイントが高い。
逆に残念だったのは、本体操作部に「早送り/早戻し」ボタンがないこと。さらにリモコンには音量ボタンがない。7インチ画面をあまり離れて見ることはないだろうから、さほど問題はないと思われるが、どちらか一方でもフル操作できると有り難い。
付属のリモコンはカードタイプで、一通りのDVD操作にくわえてテレビのダイレクト選局も可能だ。逆に本体だけではテレビのチャンネルすら変更できない。もともと別売の「テレビチューナーセット」を同梱した製品なので、仕方のない部分かもしれない
テレビのチューナーユニットは、右側面の専用ポートに接続するタイプだ。電源はDVDプレーヤー本体から供給されるため必要なし。ただ実際に使用してみると、アンテナの感度がイマイチのようで、有楽町のITmediaオフィス、目黒区内の自宅ともに映像はほとんど受信できなかった。いずれも難視聴地域というわけではなく、屋外アンテナがあればアナログ地上波を普通に捉えられる場所だ。
ただし、TVチューナーユニットのアンテナは取り外し可能だ。根本をくるくる回すと通常のRF端子が出てくるので、同軸ケーブルを使って室内のアンテナ端子に接続すればいい。DVD再生に比べると画質は劣るものの、テロップなどは認識できるレベルなので、パーソナルテレビとしてなら十分に使えるはずだ。
オマケ機能
AXN 4709TNのDVDドライブは、DVDビデオやビデオモード記録したDVD-R/-RWが再生できるほか、MP3音楽やJPEG画像をサポートしている。MP3ファイルを入れたDVD-Rをドライブに入れてみると、日本語ファイル名やID3タグは認識できないものの、ディレクトリ構造(フォルダ分け)がわかるGUIが表示された。
このユーザーインタフェースには見覚えがある。台湾のMedia Tekというチップメーカーがメディアプレーヤー向けのデコードチップと一緒に提供しているソフトウェアのものだ。このチップを搭載したメディアプレーヤーでは、MEPG-1/2(いわゆる生ペグ)のほかにDivXなどMPEG-4系のファイルも古いバージョンであれば再生できる。
というわけで、今回も生ペグやDivX/Xvidファイルを書き込んだDVD-Rを入れてみると、やはり問題なく再生できてしまった。メディアプレーヤーがオマケに付いてきたようで“お得感”がある。もちろん、長瀬産業ではDivXファイルの再生などを正式にサポートはしていないので、使用はあくまでも自己責任でお願いしたい。
ついでといっては何だが、同じく非サポート扱いのPAL形式DVDビデオを入れてみたところ、こちらも問題なく再生できた(リージョンコードは日本と同じもの)。同機の場合、設定画面に「NTSC/PAL」の選択メニューがあったりするが、ここでPALを選択するとなぜか白黒表示になってしまうので注意したい。こちらも使用はあくまでも自己責任でお願いする。
やっぱり安さは魅力
同じようにテレビチューナーをセットにしたポータブルDVDプレーヤーには、東芝の“ポータロウ”の「SD-P1800」などがあるものの、ITmedia Shoppingのデータを見ると実売価格は3万円台前半からと、およそ1万円の差がある。また、海外製品の中には同クラス以下の価格になっているポータブルDVDも存在するが、こちらはTVチューナーを持たない。少なくともテレビ視聴を前提にするなら、「AXN 4709TN」は高いコストパフォーマンスを持っているといえるだろう。某通販番組のタカタ社長がプッシュするのも頷ける。
気になるのは前述の動作音と付属アンテナの感度だが、このあたりを認識した上で購入するのであれば問題は少ない。「パーソナルTVとしても使いたい」、あるいは「とにかく安い車載用のテレビとDVDプレーヤーが欲しい」といった人には、かなり魅力的な製品になるのではないだろうか。
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