冒険心をくすぐるデジ一眼ライブビュー撮影――オリンパス「E-330」:レビュー(2/5 ページ)
液晶モニターで構図を確認しながらシャッターを切る、すわなちライブビュー撮影を実現したデジタル一眼レフ機「E-330」を使ってみた。これまでのデジタル一眼レフ機とは、ひと味もふた味も違った撮影の楽しみを満喫できる。
従来機E-300のサイドスイングミラーを見たときは、なんでわざわざ光を横方向に送るのか、デザイン上の理由だけでそんな構造にしたのか、少々不思議に感じていた。いま思えばE-300は、E-330でライブビューを実現するための伏線だったのかもしれない。
フルタイムライブビューの視野率は92%とちょっと狭い。液晶を見ながら構図を決めてシャッターを押すと、直後に表示される実画像は一回り広く記録されていることが分かる。
表示には十分な明るさがあり、ピントや構図の確認は問題なく行える。オートフォーカスは通常どおり作動し、3つの測距点のうち、選ばれた点が合焦時に赤く光る。コンパクトデジカメのようなCCD-AFではなく、一眼レフ機ならではの専用センサーによるAFであり、合焦スピードに大きなストレスはない。従来機「E-500」とほぼ同等のスピードだと感じた。
残念なのは、露出補正やホワイトバランスの設定は、ライブビューには反映しないこと。これは、後述するマクロライブビューでも同じだ。シャッター速度の調整もライブビューには反映せず、表示のフレームレートは約30fpsとなる。
フルタイムライブビューでは、液晶に加えて光学ファインダーからでも構図確認ができる。ただし、ファインダーの接眼部から余計な光が入って正しい測光ができない場合があるため、使用説明書では背面のアイピースシャッターのスイッチを入れ、接眼部をふさぐよう推奨している。
撮影直後のポストビュー画面。上のライブビュー画面に比べて、実際に写った範囲はやや広いことが分かる。またライブビューにはホワイトバランスの設定が反映しないので、発色が異なる。ポストビューの表示時間は、オフまたは1〜20秒の間で選択でき、表示中にシャッターボタンを半押しすれば、ライブビュー画面にすぐに戻る
正確なMFができるマクロライブビュー
もうひとつのモード、マクロライブビュー(Bモード)では、撮像素子である4/3型750万画素Live MOSセンサーを使用する。このモードに切り替えると、強制的にミラーアップが作動し、光が直接センサーに当たるようになる。
ミラーアップしているので、当然光学ファインダーは使用できず、ピント合わせはマニュアルフォーカスのみとなる。手持ちでも使えないことはないが、カメラを三脚にセットして、厳密なピント合わせをしながら撮るのに役立つモードと考えていい。
表示は、Aモードよりもさらに明るく、家庭の室内程度の明るさがあれば、ライブビュー拡張をオンにしなくても十分に撮影できる。視野率は100%であり、正確に構図を決められる。マニュアルフォーカスの操作は、そのままの状態でも可能だが、INFOボタンと十字ボタンを押して任意の点を10倍に拡大すると、より合わせやすくなる。
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