エプソン、こだわりに磨きをかけたレンジファインダー機「R-D1s」
セイコーエプソンが、“レンジファインダー式デジカメ”の新製品「R-D1s」を発表。マイナーチェンジながらもユーザーの要望にこたえる改善や新機能追加など“こだわりのカメラ”に磨きをかけた。
セイコーエプソンは3月15日、レンジファインダー式のデジタルカメラ「R-D1s」を発表した。3月24日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は25万円前後。
2004年7月30日に発売した世界初のレンジファインダー式デジカメ「Epson Rangefinder Digital Camera R-D1」の後継機。マイナーチェンジモデルながらも、発売から1年半の間にユーザーから寄せられた改善要望に1つ1つこたえたという。
新機能としては、撮影後に自動で画像を再生する「クイックビュー機能」を追加。画像再生時間は3秒/10秒/OFFの3種類から選べる。また、RAW撮影時にJPEG画像も同時に記録する「RAW+JPEG同時記録モード」も新搭載。そのほか、sRGBに比べて広い色域を持つ「Adobe RGBモード」のサポート、フィルム設定(Film1〜3)初期設定値にシーン別作品モード(人物、風景、夜景)を設定、PRINT Image Matching IIIへの対応などの機能が新たに追加された。
また機能改善としては、拡大表示を従来のJPEG約10倍/RAW約2倍からJPEG/RAWともに約16倍に向上させるなど画像拡大率をアップ。また白熱電球下で赤みを抑えた自然な画像を生成するようにAWBの引き込み範囲を拡大するなどホワイトバランス性能も改善。そのほか、再生モード・スリープモードから1回のシャッター押しでフルレリーズシャッターを可能にしたほか、R-D1に比べてISO 1600撮影時のノイズ低減を図った。
レンジファインダー式の銀塩カメラを手がけるコシナと協業して開発したコシナ「BESSA-R2」ベースのボディ形状や実像距離計式の等倍率ファインダー、大型APS-Cサイズ(23.7×15.6ミリ)有効610万画素のCCD、フリーアングル機構の背面2インチ液晶など、主な仕様は従来モデルと同じ。レンズマウントにはVMマウントを採用し、ライカMマウントレンズのほか、マウント変換アダプタを使うことで、ライカLマウント(ネジ式)のレンズも利用可能。
サイズは142(幅)×88.5(高さ)×39.5(奥行き)ミリで重さは約590グラム(ボディのみ)。
RAW現像アプリケーション「EPSON Photolier」(フォトリエ)には、新技術「Epson Print Image Control Technology」(プリントイメージコントロールテクノロジー)を搭載。一般的な拡大技術やシャープネス処理と異なり、自然なエッジ感を残しつつ1354万画素相当の画素補間素出力を可能にするというもので、大判プリント時の品質を向上させる。
また、同時発売のオプションとして本革カメラケース「RD1SC1」をラインアップ。形状は速写タイプで、装着したまま液晶パネルの回転やSDカードの出し入れも可能になっている。
さらにエプソンでは、新製品の発売を機に「R-D1s専用ソフトレリーズボタンプレゼントキャンペーン」を実施する。3月24日〜8月24日のキャンペーン期間中にR-D1sを購入し、同梱されている「お客様情報カード」(はがき)を郵送すると、正式保証書とともにソフトレリーズボタン2種(赤文字、シルバー文字)が送られてくる。
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