ブレ補正+大型液晶+スタミナの“優秀”薄型機――サイバーショット「T30」:レビュー(2/5 ページ)
薄型おしゃれボディに、光学式手ブレ補正と高感度撮影のWブレ補正、3インチモニター、長時間バッテリー……と、魅力的な機能が何でもつまった“優秀”デジカメ、それがサイバーショット「DSC-T30」だ。
とうとう700万画素搭載でISO1000
レンズカバーを下ろすと顔を出す屈曲光学系レンズはT9と同じ。38〜114ミリの3倍ズームでF3.5〜4.3だ。
レンズはこの中に縦方向に入っているのだが、そこに光学式手ブレ補正機構を内蔵。ソニーによると重力の影響を受けない方向なので、より小型で効率よく補正できるという。この辺はT9と同じだ。
違うのはCCD。1/2.5インチながら700万画素CCDを搭載。2006年モデルは600万画素が中心だが、オリンパスの「μ710」などに続いてソニーも700万画素に上げてきたわけである。
最高ISO感度はT9のISO640からISO1000に2/3段分アップしている。T9よりノイズは減り、ISO1000を実現したということだ。もともとのCCDが高感度仕様というわけではないので高感度時はかなりノイズが目立つが、撮れるか撮れないかというシーンでは大きい。T9のISO640とT30のISO800の画質はほとんど同じ。ディテールを極端に損なうこともなく、がんばって高感度画像を作っている。
この春は「ブレ軽減」系の機能が大きなトレンドになっていて、どの機種も高感度をうたっているが、最高感度がISO800かISO1000かという話になると、まあ同じようなもの、細かいことを気にするならレンズの明るさも同時にチェックしないと、ってのがひとつの答えか。
例えば、キヤノンの「IXY Digital 80」は3インチ液晶で最高感度がISO800だが、レンズはワイド端でF2.8。T30のF3.5とは2/3段違うが、ISO800とISO1000では1/3段の違いなので、ワイド端ではISO800のIXY Digital 80の方が1/3段分シャッタースピードを上げて撮れるということになる。逆にテレ端ではT30がF4.3なのに対しIXYはF4.9なので差は1/3段弱。だからテレ端ではISO1000で撮れるT30の方が2/3段弱くらい有利なわけだ。
実のところ、それほどの差はないので最高感度の数字にあまりこだわってもね、という話である。実際の画質については作例を見てください。
ということで、設定できる感度はISO80から1000。ISOオートにしたときの基本感度はISO125で、1/40秒前後(ワイド端時)を目安に、最高ISO320まで上がっていく。
メニューの撮影モードの中に「高感度」が用意されており、それを選ぶと内蔵ストロボが発光禁止になり、自動的にISO1000まで上がるようになる。フラッシュを使えない室内では高感度モードにしましょうということだ。高感度モードでは1/100秒を目安に感度が上がっていくプログラムになっているようだ。
この辺もどちらのモードで撮るかの目安になろう。
最短撮影距離は通常で、50センチ、マクロモードで8センチ(テレ端では25センチ)ながら、マクロボタンをもう一度押すと「拡大鏡モード」に入り、ワイド端固定ながら1センチまで寄ることができる。
拡大鏡モードはいわゆる「スーパーマクロ」。以前のモデルでは撮影メニューの中にあったが、T30ではマクロボタンを押すと切り替わって現れるようになった。これは改善点だ。
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