ステルスっぽい録画機でモバイル用の動画をいろいろ作ってみた:レビュー(3/3 ページ)
ロックリッジサウンドの「VRX-02」は、ステルス戦闘機を思わせる黒一色の筐体が特徴的なメディアレコーダーだ。本体にメモリースティックとSDカードのデュアルスロットを備え、テレビやビデオの外部出力に接続してモバイル機器向けの動画を作成できる。今回は「PSP」「iPod」、FOMA携帯電話の3つで試してみた。
iPod用の動画は、メモリカードのルートに保存されるので、これをPCやMacに取り込み、iTunesを使って転送する。PSPの場合は、録画したメモリースティック Duoを差し込めば、そのまま「ビデオ」メニューに録画ファイルをアイコン付きで表示してくれる。
「ファイン」で録画した番組は、携帯電話より画面が大きいためか、アラが目立つような印象を受けた。番組内容を把握するには申し分ないのだが、動く物体や空との境界線など、さまざまな部分でブロックノイズが目につく。また場面転換のたびに細かいノイズが画面全体に入り、まるで画面の中がざわついているようだ。
これが「Sファイン」になると、かなり落ち着いた印象にかわる。動きの速い部分は相変わらずブロックノイズが発生するものの、そこさえ目をつぶれば十分に鑑賞できる画質だ。場面転換時のざわつきは消え、画面の見やすさは著しく改善した。スペック的を見ると「Sファイン」と「ファイン」の違いはフレームレート(15fpsと30fps)だけなのだが、それ以上に解像感やノイズの出方といった部分に差を感じた。
PSPで再生した画質に関していえば、前回試用したソニー「MSVR-A10」に見劣りすることは否めない。PSPのタイトル情報によると、どちらの録画ファイルもQVGA解像度でビットレートは768Kbps(VRX-02はSファイン)のため、やはりビデオの処理方法――動画コーデック(MSVR-A10はH.264を採用)や処理チップの違いが大きいと思われる。
ただ、携帯電話を強く意識したVRX-02と、PSPに特化したMSVR-A10の画質を大きな画面で比較しても始まらない。それよりVRX-02の場合は、とにかく幅広い再生機器をサポートしている点が魅力だ。たとえば電車の中では携帯電話を使い、お風呂場では“お風呂ジャケット”を付けた「PSP」で録画番組を楽しむなど、使い方はアイデア次第で広がるはず。複数の携帯機器を所有している人にとっては間違いなく魅力的な製品といえる。ステルスだし。
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