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マニュアル撮影もできるお買い得6倍ズーム機――「PowerShot A700」レビュー(1/4 ページ)

キヤノン「PowerShot A700」は、光学6倍ズーム搭載の600万画素機だ。最近流行の薄型スタイリッシュ機ではないが、画質や機能はワンランク上のレベル。コストパフォーマンスの高さが魅力だ。

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 デザインにこだわったIXY DIGITALシリーズに対して、実用性やコストパフォーマンスを重視したのがPowerShot Aシリーズである。キヤノンのラインアップの中では最もエントリークラスに位置している。

 といっても、ビギナー向け廉価機とあなどってはいけない。絞りやシャッター速度のマニュアル機能を搭載し、オプションのワイコンやテレコンに対応するなど、中級者以上のニーズにも応えている。単三形電池が使えることも、用途によっては便利だろう。

 そのPowerShot Aシリーズの中でも、この春に出た最上位モデルが「PowerShot A700」である。CCDには1/2.5インチの有効600万画素を採用し、これまでは最高4倍だった光学ズームを6倍へと拡張した。さらに最高ISO800の高感度モードにも新対応している。

 同じく光学6倍ズームを搭載した600万画素機としては、松下電器産業の「DMC-LZ5」がある。単三形アルカリ電池対応も共通であり、格好のライバルといえる。あちらは光学式の手ブレ補正機構を搭載するが、残念ながらこちらはIS非搭載だ。だが、マニュアル機能やアクセサリーの充実度では上回る。

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キヤノン「PowerShot A700」。レンズ部のリングを外し、オプションのワイコンやテレコン、クローズアップレンズなどを装着できる
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電源は、単三形アルカリ電池または単三形ニッケル水素電池を2本使用。CIPA準拠の電池寿命は、アルカリ使用時で約100枚、ニッケル水素で約400枚となる

高感度モードでブレを低減する

 ボディはこれまでのPowerShotシリーズと大きく変わらず、レンズ部とグリップ部が突き出たシルバーの四角いデザインだ。アルミのほか、樹脂を多用した外装の質感も従来通りである。

 上部の電源ボタンを押すと、レンズが約23ミリほど飛び出し、約1.5秒で撮影スタンバイになる。レンズの35ミリ換算の焦点距離は35〜210ミリ相当。ワイド側は平凡だが、テレ側は望遠と呼べる焦点距離だ。光学10〜12倍ズーム機に比べれば見劣りするとはいえ、遠くの被写体を引き付けて撮ったり、遠近感を圧縮した構図を味わえる。

 ただ、これほどの焦点距離になると、やはり手ブレに対する不安が残る。テレ側での撮影時は光学ファインダーを利用するなど、ボディをしっかりと支える工夫が必要だ。光学ファインダーには実際に写る範囲とのズレ(パララックス)があり、正確な構図を決めにくいのは不満だが、このクラスのカメラでは仕方ない。

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