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“何でも撮れる”手ブレ補正付高倍率機――キヤノン「Powershot S3 IS」レビュー(2/5 ページ)

キヤノンの「Powershot S3 IS」は、前モデルの手ブレ補正付き光学12倍ズームに加え、画素数アップや高感度仕様を施した“何でも撮れる”万能機。超望遠デジカメ狙いの人でなくともついつい欲しくなる1台だ。

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 強化されたのはISO感度。2006年版キヤノンデジカメ共通の高感度対応で、ISO800まで上げることができる。ISOボタンが背面に新設され、ISOボタンを押すとISOオート、高感度オート、そして80……800と順番にセットできるようになった。

 ここで注目したいのは高感度オート時の振る舞いだ。

 暗いときのみならず、スポーツや動物など被写体ブレを起こしそうな動く被写体を撮るときすごく便利な挙動をしてくれる。高感度オートにするとISO400を中心に開放絞りを基本にして最高のシャッタースピードを得られるよう働くのだ。

 ISOオート時はExif情報にISO感度が書き込まれないので詳細把握は難しいが、昼間なら普通に1/1000秒以上のシャッタースピードを得られるし、いわゆる手ブレ限界(1/焦点距離)を超えたあたりでISO800へ上がっていくっぽい。

 もちろんISO感度が高めで推移する分、ノイズは増えてやや絵は荒れるけれども、上手に使えばすごく楽しめる仕様だ。

 増感時の画質の低下は思ったほどではない。ISO800まであげると偽色ノイズが乗っかってくるが、画像処理が巧いのか、全体に細かいノイズがかかるものの不自然さはあまりなく、色味もそこそこ残してくれる。被写体にもよるがISO400までは結構実用的だ。

2.0インチながらバリアングル式液晶はよいっ

 S3 ISはIXY系とは違ってハイエンド仕様。モードダイヤルはEOS風で各種マニュアル撮影機能やイメージモードが用意されている。

photo

サイドから電源オフ時と、電源オン&ストロボポップアップ時。鏡胴部の左にMFモードボタンとマクロボタンがある

 ボディの左側にマクロとMFボタンが独立して用意してあり、マクロボタンを長押しするとスーパーマクロモードになる。

 背面には十字キーのほか、FUNC、ISO、ショートカット(任意の機能を割り当てられる)などが並ぶが、露出補正がFUNCメニューの中というのはちょっと残念なところだ。ここまできたら「Powershot S80」のようなダイヤル兼用十字キーがあるとよかったのに。

 ファインダーは0.33インチ液晶を使ったEVFと2.0インチ液晶モニター。EVFは(このクラスでは)大きくて見やすい。フォーカスチェックまではできないが、なかなかよくできている。


液晶モニターは2インチで可動式。画面は再生モードで撮影情報をフルに表示したところ。右に十字キーとMENU、SETボタン。液晶モニターの右にFUNC、新たに独立したISO感度、その下にショートカットボタン(任意の機能を割り当てられる)がある

バリアングル式液晶なので好きな角度で撮影できる。これは便利

 液晶モニターはバリアングル式。11.5万画素と今となっては粗い解像度だしサイズも2.0インチだが、それ以上に自由に回転させられるメリットを評価したい。これはよい。望遠時は安定した撮影のためにもEVFを使ってしっかり構えたいが、中望遠以下のスナップ時にはアングルフリーの撮影ができるのはとても便利。

 個人的に猫写真をよく撮るので、猫目線で撮れるバリアングル式は欠かせないのである。

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