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シャーリーズ・セロンの「モンスター」に続く実録ドラマ――「スタンドアップ」新作DVD情報

“アバズレ”“我が家の恥さらし”そんな中傷・罵倒にも耐え、米国初の集団セクハラ訴訟に立ち上がった女性の孤立無援の闘争を追う。勇気がもたらした勝利の物語が、パワフルな感動作に。

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スタンドアップ 特別版

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 「モンスター」でアカデミー賞を受賞したシャーリーズ・セロンがその次に選んだ作品は、またも実話を基にした社会派ドラマ。1983年、ひとりの女性鉱山労働者が会社に対して、セクシャル・ハラスメントの防止を直談判した。ところが会社からは相手にされず、1987年に和解調停がスタート。1991年になってようやく米国初の集団セクハラ訴訟が認められ、和解に至ったのは1999年。原告側は約100万ドルの和解金を得た。本作は実在の女性ロイス・ジェンソンをモデルにした、勇気あるシングルマザーの戦いの記録である。

 暴力夫から逃れ、2人の子供を連れて故郷の北ミネソタに舞い戻ったジョージー。そこは保守的な鉱山の町で、10代でシングルマザーとなり、父親の違う娘を連れたジョージーを見る目は冷ややかだった。父親さえも彼女のことを尻軽女と決めつけ、衝突を繰り返す毎日。そんな中、ジョージーは子供たちを養うために、町で一番稼げると聞いた鉱山で働き始める。

 だが、肉体的につらいばかりか、男性社会に進出してきた女性を快く思わない鉱夫たちによる、屈辱的な嫌がらせが待ち受けていた。数少ない女性従業員を猥褻な言葉でからかい、体に触るなどセクハラの嵐。さらにジョージーは同じ部署にいた元恋人に執拗に復縁を迫られ、それが次第にエスカレートし、命の危険さえも感じるようになる。たまりかねたジョージーは社長にセクハラを直談判するが、逆に辞職を言い渡され、会社を辞めることに。

 このままでは何の解決にもならないと、弁護士ビルの協力を得て、セクハラ集団訴訟を決意。だが、報復を恐れる同僚女性からは協力を得ることができず、裁判は苦戦を強いられる。その上、過去の男性遍歴を追及され、心身ともに追い詰められていくのだった。

 簡易トイレに閉じ込められ転倒させられたり、レイプされそうになって逆に「誘惑された」なんて噂を広められたり、たまったもんじゃない。彼女の境遇を書いているだけで何だか気が滅入ってくる。とはいえ、どんよりしがちなエピソードも、社会的なメッセージと、友情や親子関係、裁判までの道のりをバランスよく描くことで、娯楽性のあるヒューマン・ドラマに。もちろん居心地の悪さを感じるシーンは多々あるが、後味は爽やかな力作だ。

 演じるシャーリーズ・セロンは「モンスター」で大増量&ブスメイクを施して演技派としても認められるようになったが、本作でその実力が本物であることを証明した。凛とした美しさと存在感はますます増しているようだ。

 セロンの母親をベテラン女優のシシー・スペイセクが、親友のグローリー役を「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンドが演じ、一見地味だが実は3人のオスカー女優が一堂に会するという豪華なキャスティングが実現した。男性陣も「ダイヤモンド・イン・パラダイス」のウディ・ハレルソン、「フライトプラン」のショーン・ビーンら個性派が揃っている。監督は「クジラの島の少女」で脚光を浴びたニキ・カーロ。

 DVDは本作のモデルとなったロイスが当時の状況を語る証言映像や、メイキング、全9種類の未公開シーンなど27分の映像特典を収録。

関連サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/standup/(公式サイト)

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