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“この夏オススメ”の大画面テレビ麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(2/4 ページ)

ボーナス商戦真っ只中、この夏こそ大画面テレビを手に入れたい! という読者に、「大画面テレビはすべて視聴しつくした」という麻倉怜士氏がアドバイス。今年前半の大画面テレビの動向と“この夏オススメ”の大画面テレビとは?

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――フルHDへの関心も高まってきました。

麻倉氏: 「フルハイビジョン」か「フルHD」か「フルスペックハイビジョン」か、という用語論争が出ていますが、フルHD推進派と、慎重派で意見が違っているのが興味深いですね。市場全体としてはフルHDの流れがきているのは確実なのですが、松下などは50インチ以下ではフルHDは必要ないと公言しています。確かにどこかのサイズではフルHDまでの高解像度は必要ないと思いますが、それが50インチかというのは微妙です。私が見る限りでは、37インチクラスでも近接視ではフルHDであるかないかの違いはハッキリ分かりますし。

 現在は50インチより下のサイズでのフルHD化が難しいプラズマ陣営が、シャープが盛んに使う「フルスペック」という言葉に対して「解像度だけが画質(スペック)の尺度ではない」と反発している状況ですが、来年には富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)が42インチのフルHDプラズマパネルをリリースする予定(別記事を参照)など、プラズマ陣営もフルHDのサイズダウンは徐々に行われてきます。さらに先日、NHKの技研公開では50インチでスーパーハイビジョンという実験をやっていました。この技術を使えば、26インチのプラズマでフルHDが可能になります。

――フルHD化の流れはプラズマ/液晶を問わず進んでいくのですね。では「フルスペック」という表現について、どう思われますか?

麻倉氏: フルスペックというならば、やはり画素だけではいけないでしょうね。色をどのくらいだすか、グラデーションはどうか、ちゃんと黒は締まるか、白は伸びるか、中間階調はどうかなどが重要になるのです。つまり今求められているものは“ホントウの意味でのフルスペック”――これを私は「トゥルー・フルHD」として提案したいです。フルの解像度の上に、解像力や色再現性などトータルな意味での画質の表現力が高まった「トゥルー・フルHD」が今後テレビに求められてくるでしょう。

プラズマテレビのオススメは?

――以上のトレンドを踏まえて、この夏、オススメの大画面テレビを挙げてください。まずはプラズマテレビからお願いします。

麻倉氏: まずダントツなのがパイオニアのフルHDプラズマモニター「PDP-5000EX」ですね。これは画素型、つまり現行のテレビの中では史上最高の高画質ディスプレイといえるでしょう。50インチのプラズマでフルHDに対応したという歴史的な事実ももちろんですが、トータルで高画質を得られる点や、表現力の高さ、映画らしいつやっぽさの質感がありつつ、ビデオ作品のようなカラッとした伸びの良いスピード感ある映像にも対応できています。105万円という価格を高いという人がいるかもしれませんが、この映像が105万円で観られるという時代というのは非常に幸せなのではないでしょうか。

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パイオニア「PDP-5000EX」(撮影協力:ビックカメラ有楽町店)

――プラズマ勢で好調な松下はどうでしょう。

麻倉氏: 松下はVIERAブランドになって、コントラストと階調性が非常に改善されました。そして最近は、色再現性が特によくなってきています。そのVIERAの中でもっとも完成度が高いのが50V型プラズマ「TH-50PX600」ですね。

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松下VIERA「TH-50PX600」(撮影協力:ビックカメラ有楽町店)

麻倉氏: 松下がすごいのは、半年に1回、きちんと新製品を出してきている点です。しかも新製品のたびごとに画質改善が施され、それが複利で効いてきています。フルHDではありませんが、完成度の高さというところで、この製品もオススメの1台ですね。

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