インタビュー
デジタルで撮る身近な昆虫写真――水上みさき:写真家インタビュー(3/3 ページ)
水上みさきさんは、昆虫写真の分野で活躍する女性写真家だ。珍しい昆虫ばかりを探すのではなく、ごくふつうの場所で身近な昆虫を撮っている水上さんに、道具へのこだわりや昆虫写真の魅力をうかがった。
デジタルなら昆虫写真も手軽に
――昆虫写真を撮る人は増えていますか?
水上さん: 題材として昆虫を撮る人は以前よりも増えているようです。デジカメの普及がその要因だと思います。フィルムの場合は、特にコンパクトデジカメで昆虫を接写することはまず無理でした。マクロは弱いし、光学ファインダーのパララックスもありますから。
その点、コンパクトデジカメは手軽に接写を楽しめます。たとえ子どもでも昆虫写真を撮れるでしょう。仮の話ですが、子どもたちにデジカメを持たせ、学校や子ども同士のネットワークを利用して、どこにどんな昆虫がいるかの情報交換をすれば、プロの昆虫写真家が何年もかかって撮るよりも、たくさんの種類が昆虫写真がアッという間に集まると思います。昆虫が大好きな子どもはたくさんいますから。
――女性の写真家は増えていますが、女性の昆虫写真家はまだ少ないですか?
水上さん: 残念ながらそうですね。女性で昆虫写真を撮っている人は、風景や植物、水中写真などに比べても少数派です。そもそも昆虫が苦手な女性もいるでしょう。それに、腰までの長靴を履いて川に入り髪の毛を濡らしたり、地面に這って泥だらけになって撮るのは、あまりおしゃれとはいえません。でもデジカメなら、そんな苦労も少ないですから、これからはもっともっと女性にも昆虫写真を楽しんでもらいたいと思います。
関連記事
- 写真家インタビュー:デジタル化で写真撮影の敷居が低くなった――秋田好恵
秋田好恵さんは、1960年代から第一線で活躍する写真家だ。母子や赤ん坊など動きのある女性を撮り続ける秋田さんにとって、機動力に優れた小型軽量のデジタル一眼レフ機は、創作活動の有用な道具になるという。 - 写真家インタビュー:仕事はデジタルで、作品はフィルムで――池本さやか
池本さやかさんは、水中写真を得意とするフリーランスの写真家だ。フィルムカメラからデジタルカメラまで幅広く使いこなす池本さんに、銀塩とデジタルのそれぞれの魅力や使い分けを語ってもらった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.