ワンセグ視聴は満足、録画は不満――「gigabeat V30T」:レビュー(4/4 ページ)
ワンセグ放送の視聴と録画が行える東芝「gigabeat V30T」。世界初となる“ワンセグ対応HDDプレーヤー”の魅力を探ってみた。
オーディオ/ビデオプレーヤーとしてはgigabeat S相当
本製品はワンセグ関連機能のほかにも、ポータブルオーディオ/ビデオプレーヤーとしての機能を備えており、それはgigabeat Sシリーズとほぼ変わらない。対応するファイル形式は音楽がWMA/MP3/WAV/WMA 9 Lossless、動画がWMV、静止画がJPEG。再生可能な最大ビットレートはWMA/MP3が320kbps、WMVが800kbpsとなっている。
PCからの転送にはWindows Media Playerを利用し、本体HDDに転送されたメディアファイルは「ミュージック」「ピクチャ」「ビデオ」のいずれかに収納される。メインメニューから好みのメディアタイプを選択し、十字キーを押し込むか、上側面の再生ボタンを押せば再生/表示が開始される。
3.5インチという大型の液晶を搭載していることもあり、ビデオプレーヤーとしての利用を検討するユーザーもいるかと思う。しかし、MPEG-2やDivX、MPEG-4 H.264などは再生できず、WMPでの変換作業が必要になる。録画したファイルを逐一、WMPで変換するのは現実的とはいえないだけに、WMV以外のファイルにも対応して欲しかったところだ。
ワンセグをどこまで重視するか?
ワンセグ関連機能を中心にレビューしてみたが、本製品はgigabeat Sをベースに液晶を大型化させ、ワンセグチューナーによるワンセグ視聴機能を追加した製品といって良さそうだ。gigabeat Sのメリット――Windows系OSを採用することで、Windows OSを普段から使っているユーザーならば、“何となく”でも十分に使いこなせる操作性の高さ――はそのまま引き継がれており、ポータブルプレーヤーとしての完成度は高い。
そうなると、本製品を選択するかの基準は、ワンセグ関連機能がどれだけユーザーにプラスとなるかだが、これは利用するユーザーがどこまでワンセグを重視するかで評価が分かれると思う。ワンセグ視聴“も”可能なポータブルプレーヤーと考えれば必要十分な機能と画質を備えているといえるが、ワンセグをフル活用したい考えるならば、録画機能の弱さはウィークポイントと言わざるを得ない。
移動中でも番組を楽しめることがワンセグの大きなメリットではあるが、筆者は「デジタル放送時代の卓上テレビ」としての需要もかなりあるとにらんでいる。ワンセグチューナーを搭載した第2世代の製品が登場するかは分からないが、登場するならば録画機能の充実を進めて欲しいと思う。
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