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謎の革命戦士“V”が血の制裁を下す――「Vフォー・ヴェンデッタ」新作DVD情報

原作コミックの大ファンだという「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が手掛けたサスペンス・アクション。エージェント・スミスことヒューゴ・ウィービングは全編仮面をつけての出演、ナタリー・ポートマンは丸刈りと、見た目にも革命的な娯楽大作。

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Vフォー・ヴェンデッタ 特別版

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 アラン・ムーア原作、デビッド・ロイド作画で1980年に発表された同名コミックを、「マトリックス」チームで映画化したサスペンス・アクション。ウォシャウスキー兄弟が斬新かつ緻密に練り上げた脚本をジョエル・シルバーがプロデュースし、「マトリックス」シリーズの第1助監督を務めたジェイムズ・マクティーグがメガホンをとった。

 物語の舞台は第三次大戦後の近未来イギリス。独裁者のアダム・サトラー議長が、夜間外出を禁じる戒厳令と粗暴な自警団、徹底した言論弾圧によって、あらゆる異端児を排除し、恐怖政治で国民を押さえつけていた。

 11月5日、夜間外出中に自警団に逮捕されそうになったテレビ局勤務のイヴィーは、危機一髪のところで“V”と名乗る謎の仮面の男に救われる。彼は暴政に反抗し、大胆不敵な行動力と知性を兼ね備えた革命戦士。その夜、“V”は裁判所を派手に爆破し、テレビ局を不法占拠して電波ジャックするなどテロ活動を行う。そして国民に圧制を糾弾し、1年後の11月5日に国会議事堂に集まるよう呼び掛ける。

 そんな中、イヴィーもまた“V”の活動に加担したとして、警察から追われる身となり、彼の隠れ家でしばらく生活することに。ところが、彼女は“V”が独裁国家に反旗を翻す一方で、政府要人に個人的怨念を晴らそうとしていることを知り、隠れ家から逃げ出そうとするが…。

 この“V”のモデルとなったのが、1605年11月5日に英国国会議事堂の爆破未遂事件を引き起こし、翌年に反逆罪で死刑となったガイ・フォークスという男。今でもイギリスでは11月5日を「ガイ・フォークス・デイ」として、その夜はフォークスそっくりの仮面をつけたガイ人形をかがり火に投げ込んだり、花火が打ち上げられたり、イベントが行われている。

 仮面の男“V”を演じたのは「マトリックス」のエージェント・スミス役でお馴染みのヒューゴ・ウィービング。といっても、最初から最後まで全く素顔を明かさない特殊な役柄なので彼とは認識できないが、その身振りや声で、怒りや哀しみ、憎しみなど、仮面の下の感情が伝わってくるからお見事。

 ヒロインのイヴィー役にナタリー・ポートマン。監獄で拷問を受け、髪を剃られるシーンでは自らの髪を潔く剃ったナタリー。スキンヘッド姿もなかなかお似合い。

 独裁国家に制裁を下す“V”だが、そこには血の復讐という私的感情も混じってくるところに、生身の人間らしさを感じさせる。国家の不正やテロなど現代社会が抱える問題を描きながら、アクション、サスペンス、そして「オペラ座の怪人」を思わせる“V”とイヴィーの悲恋物語など、単純にエンターテイメント作品としても楽しめるところが本作の魅力だ。

 DVDは1枚組の通常版と2枚組の特別版でリリース。後者の特典は撮影の舞台裏を追った「メイキング」、こだわりのセットを紹介する「近未来をデザイン」、元ネタとなった歴史的事件を振り返る「ガイ・フォークスと火薬陰謀事件」、キャット・パワーが歌う「アイ・ファウンド・ア・リーズン」のミュージック・クリップなどを収録。

関連サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/vforvendetta/(公式サイト)

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