ウェアラブルなボディで魅力アップ――新「iPod shuffle」:レビュー(2/2 ページ)
1年以上の時を経て、iPod shuffleにも新世代機が登場。アルミ素材を採用し、“ウェアラブル”という要素を加味した新デザインに注目だが、音質面も改良されている。
DockコネクタもUSB端子もない
上側面にはヘッドフォン接続用の3.5ミリピンジャックが用意されているが、Dockコネクタはどこにもない。実は3.5ミリピンジャックがDockコネクタを兼ねる作りになっているのだ。
パッケージには専用Dockが付属しているので、通常のシンクと充電についてはそれを利用することになるが、USB-Dockケーブルなど、Dockコネクタを利用する周辺機器/アクセサリーは利用できないので注意(もっとも、既存モデルにも同様の制限はあった)。
バッテリー駆動時間は12時間。これだけ本体の小型化が進んだにもかかわらず既存モデル並みというのは大したもの。対応フォーマットはMP3(8〜320Kbps)、MP3 VBR、AAC(8〜320Kbps)、プロテクテッドAAC(iTunes Music Storeで利用されているAAC)、Audible(2/3/4)。
液晶は搭載されていないので、状態把握は電源スイッチ隣にあるLEDで行う。電池残量のほか、一時停止中は緑の点滅、ホールドオン(再生停止ボタン長押し)は赤の点滅といった具合に、操作に関する状態も確認できる。
※お詫びと訂正――初出時、LEDは底面にしかないと記載いたしましたが、上面にも用意されています。該当箇所を修正させて頂きました。
転送ソフトはiTunesだが、バージョンは7.0.2以上が必要。対応バージョンのiTunesならば、パッケージ付属のDockを利用して接続すると左ペインの「デバイス」にきちんと新型shuffleが(アイコン付きで)表示される。
音質面も向上――携帯性を重視するユーザーへ
付属ヘッドフォンもこれまでと同タイプのホワイトとグレーのツートンカラーで、iPod nanoに採用された新型ではない。しかし、実際に試聴してみたところ、iPodシリーズに共通する低音の厚さというニュアンスは相変わらずながら、既存のshuffleで感じられた解像感の希薄さや、ノイジーさは影を潜めている。
そこで新旧shuffleとiPod nanoの3機種を聞き比べてみたが(ヘッドフォンはそれぞれの付属品を使用)、新型shuffleの音の傾向はiPod nanoに近いと感じた。広がりや開放感といった要素についてはiPod nanoが上だと思うが、全体的な音のクオリティという観点からいえば、新型shuffleは明らかに既存モデルを上回っている。
1Gバイトのメモリを搭載し、価格は9800円。確かに安価ではあるが、ポータブルプレーヤーの市場は成熟期に向かいつつあり、もはや価格容量比だけではユーザーを引きつけることはできない。しかし、ウェアラブルという要素を強調し、より“ポータブル”で“軽快”な製品であることをアピールする本製品がヒットする可能性は高いといえる。
しかし、PCとの接続に専用Dockが必要というスタイルには疑問を感じる。Dockを省いたケーブル接続ケーブルもおそらく登場すると思うが、なぜストレートにUSB端子を搭載しなかったのだろうか。確かにUSB/ヘッドフォンジャックは共用化されてたほうがスッキリするが、現状では専用Dockを忘れるとシンクはおろか充電もままならない。
とはいっても、その質感や携帯性の高さはやはり魅力的。気軽に持ち運びたいヒトにはiPod nanoよりも受け入れられるかも知れない。Dockコネクタを備えないので、「Nike+iPod Sport Kit」は利用できないが、フラッシュメモリなので運動時にもぴったりだ。いまから注文すれば、クリスマスのプレゼントにも十分間にあう(ハズ)。
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