小さな本格派、画質重視の20V型“REGZA”「20C2000」(3/3 ページ)
東芝“REGZA”の「20C2000」は、上位機種に匹敵する画質を備えた小型液晶テレビだ。IPS液晶パネルに上位モデルと同じ映像エンジン。20インチクラスでは、ほかに例がないほど画質を優先している。
さて、サイズは小さいが、中身は本格派という「20C2000」だが、パソコンと接続して使いたいという要求もあるはずだ。書斎のサイドテーブルの置いたり、あるいは一人暮らし向けのワンルームでパソコンとテレビを並べて置くといった環境では、パソコンで再生する映像を見るディスプレイとしても使いたい。
そこで、HDMI-DVI変換ケーブルを用いてパソコンとの接続を試してみた。REGZAのWebページによると、640×480p、720×480i/p、1280×720p、1920×1080iのみが入力フォーマットとしてサポートされている。
実は「MacBook Pro」への接続では800×600ピクセル、1024×768ピクセル、1344×756ピクセル、1344×1008ピクセル、1600×900ピクセルといった解像度も選択が可能だったのだが、これは仕様表以外の解像度を受け付けるという意味ではなく、いずれもグラフィックコントローラ側で1080iまでアップスケールした後に送信しているようだ。なお、MacOS Xでは自動的に「TSB-TV」というカラープロファイルが割り当てられるが、これは「Generic RGB Profile」に変更しないと色がおかしくなるので注意したい。Windows機の場合は何もしなくて良い。
テレビのHDMI端子は輝度レンジがリミテッドレンジに固定されているものがあり、パソコンと接続すると黒潰れ/白飛びといった現象が発生する場合もある。しかし本機の場合は、単純にパソコンと接続するだけで、輝度レンジとカラーフォーマットが自動的に合うため、カラーフォーマットに関する悩みはない。
また、パネル解像度は1366×768ピクセルのワイドXGAのため、どの画面モードでもパネル解像度とパソコンの出力解像度を合わせることができないが、くわえて20C2000はオーバースキャンを切る機能(REGZAでいうところの“ジャストスキャン”モード。Z2000のみ対応している)がない。
720pで入力すれば、文字なども(ややボケるが)そこそこ見やすく、サブディスプレイとしては使えるが、常時、メインのディスプレイとして使うことは推奨しない。しかし、DVD再生などはパソコン用ディスプレイよりも圧倒的にキレイに見える。“動画専用ディスプレイ”として考えれば、接続にトライする価値はある。
とはいえ、今後はPC画面のドット・バイ・ドット表示にも対応してほしいものだ。たとえばテレビとしての最高輝度が多少低くなるのは覚悟の上で、ワイドUXGA(1920×1200)の24〜25インチ程度のパネルで、“小型のZシリーズ”というのはどうだろうか? DVIとHDMIの両対応で、パソコンディスプレイとしても本格派のプレミアム機があれば、ぜひとも書斎で使いたい。
いずれにしても、現時点において20インチ前後のテレビとしては、ほかに例のないほど画質を優先したことは間違いない。画質は気にするが、近くで見るから画面サイズは小さくていい。そんな人に是非お勧めしたいユニークな製品である。
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