世界初、“人間”を再生する「Human Player」:バンダイ春の新製品商談会
あのバンダイが、ついにiPod対抗商品(?)を投入する。ただし、再生するのは音楽ではなく“人間”。性格とバイオリズムに裏付けられたキャラクターの行動から、隠された真実が見えてくる?
バンダイは2月16日、販売店向けに春の新商品を紹介する商談会を開催した。最近は大人をターゲットにした玩具の話題が豊富だが、今回も例外ではない。会場で最も注目を集めていたのは、世界初のポータブル“人間”再生機「Human Player」だ。
「iPodなどは音楽を再生しますが、Human Playerでは楽曲ファイルの代わりに人間を登録し、現実に限りなく近い行動を再生(プレイ)します」と、同社プレイトイ事業部コミュニケーショントイチームの岩村剛リーダー。
無論、本物をのぞき見るわけではない。性格やバイオリズムをもとに作り出したバーチャルキャラ――つまり、登録した人の“とりそうな行動”をアニメーションで見せてくれるのだ。実際に液晶画面に登場するのは、ドット画の2.5等身キャラクター。細身の体と、ユルめの表情がいい味を出している。
「性格やバイオリズムに基づき、さまざまな行動確率を決定します。このため、同じ“仕事中”のシチュエーションでも、バリバリ仕事をする人もいれば、さぼって友達にメールしている人がいたり……」。
Human Playerに人を登録するときは、まず「エゴグラム性格診断」を用いて個人の性格を22種類に分類する。診断方法は、50個の質問に答えるだけ。「待ち合わせ時間は必ず守る」「涙もろいほうだ」といった問いに「はい」「いいえ」「どちらともいえない」で回答。あとは生年月日や名前を入力するだけで、バイオリズムも算出してくれる。
「エゴグラムは、もともと米国の心理学者J.M.デュセイが開発した性格分析法。これをベースに日本の福島寛氏が50の質問の回答で人間の性格を22タイプに分類する『エゴグラム性格診断』を開発しました」。エゴグラム性格診断は、6000人規模の検証により、90%以上の的中率を持つことが証明されているという。
ちなみに、福島氏による性格タイプの分類は相当シビアで、「ごくフツーのタイプ」ならマシなほう。中には「ぐうたら風まかせタイプ」や「チョーダメ人間タイプ」といった性格タイプもある。興味のある方は、同氏作成のWebサイト「人間研究所 Human Labo」で、性格診断を体験してほしい。
Human Playerには、16人までのデータを登録可能。登録済みの人に“ドッキリ”(写真参照)を仕掛けたり、性格で遊ぶゲームも用意する。また、本体上部の赤外線ポートやID入力によって登録データを交換・追加したり、追加した“人”との相性診断なども行えるという。友達や同僚のデータがあれば、いい話のネタになりそうだ。
「Human Player」は、レッド、ブルー、ホワイト、ブラックの4色バリエーションで3月31日発売予定。価格は2980円だ。
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