自家製アイスクリームの甘い誘惑:橘十徳の「自腹ですがなにか?」第8回(2/2 ページ)
市販のアイスというのは玉石混淆で、味付けが甘すぎるものが多い。ワタクシの場合は缶コーヒーで言う「微糖」くらいが好みであり、そのような絶妙な味のアイスはあまり見かけない。しかし、ふと気付いた。売ってないなら、自分で作ってしまえばいいのだ。
本体は下部の保冷ポットに、モーターを内蔵した蓋を被せる形となっている。電源やスイッチは蓋に付いており、内蔵されたモーターの回転軸に大きなパドルを装着して材料をかき混ぜる。使用にあたっては前述した通り、保冷ポットだけを冷凍庫で冷やす必要があるので、まずは保冷ポットを分解して上カバーとリングを取り去る。分解方法は最初は戸惑ったが、すぐに慣れた。保冷ポットの冷凍時間は作るアイスクリームの量によって違いがあり、目安としては300ミリリットルの場合は10時間以上、600ミリリットルの場合は18時間以上となっている。また、庫内温度は−18度以下になる冷凍庫で冷やす必要がある。保冷ポットを冷やす間だけでも、できるだけ冷凍庫の温度設定を下げた方がいいだろう。
次に材料を作る。添付の説明書のレシピによると、バニラアイスクリームの場合は卵黄2個分、砂糖60グラム、生クリーム200ミリリットル、バニラエッセンス2〜3滴、ホワイトキュラソー5ミリリットルとある。もちろんこれは個人の好みに応じて配合を変えてもかまわない。むしろ自分の好みの味に仕立て上げられるのが自家製の最大のメリットなのだから、ここは1つ積極的に自分好みの味を追求するべきだ。もちろんワタクシの場合、砂糖は少なめに入れた。
これらの材料を混ぜ合わせれば準備完了となるが、説明書には3時間ほど冷蔵庫で冷やしておくように書いてある。室温が高いと十分に固まらない恐れがあるので、念入りに冷やしておきたい。ちなみに室温は30度以下で行うように書いてある。
予定よりも早めに完成
いよいよ作成開始だ。まずは保冷ポットを冷凍庫から取り出して本体を元通り組み立てる。保冷ポットを取り出すときは、鍋つかみやタオルを使うように書いてある。内部の金属部分にさわると皮膚が張り付いてしまう恐れもあるので要注意だ。
本体を組んだら、今度は冷蔵庫で冷やしておいた材料を取り出して軽く混ぜて準備する。あとはスイッチを入れて材料を本体上部の投入口から注いでいくだけだ。できあがりまでには約20分かかるという。
材料には生クリーム200ミリリットルに加えて、牛乳を50ミリリットル足した。もちろん砂糖はレシピの規定量よりずっと少なくして、20グラムにした。ホワイトキュラソーは近所のスーパーに売ってなかったので省略。かなりいい加減だが気にしない。
保冷ポットは18時間きっちり冷やし、材料も混ぜ合わせたあとじっくり冷やしたものを使った。スイッチを入れて材料を上部の投入口から注ぎ入れていく。保冷ポットの底や横壁に触れたクリームが、みるみる内に固まっていくのがわかる。そのまま10分ほどパドルがかき混ぜているのを見ていると、だんだんドロドロしてきた。だいぶ固まってきたようだ。さらにもう少し経つと、クリームの粘度が上がってきたのか、断続的に止まるようになってきた。そして15分が過ぎたあたりで完全に停止。説明書には、20分に満たなくてもパドルが止まったらできあがりと書いてある。
中心部が少し柔らかめに
できあがったものを食べてみたが、やはり市販のものに比べると少し粘度が足りない。保冷ポットの底や横壁付近のものはカチカチに固まっているが、中心部が少し柔らかいのだ。ただ、一応アイスクリームと言えるだけの固さはある。このあたりは室温にも左右されるのだろう。作るときには、クーラーで可能な限り室温を下げておくことをオススメする。柔らかさが気になる人はできあがったアイスクリームをさらに冷凍庫で冷やすといいだろう。
味の方は少し砂糖を少なくしすぎたようだが、舌触りはなめらかで美味しい。味については何回か作っていく内に自分の好みがわかってくるだろう。ちなみに説明書にはバニラアイスクリームのほか、オレンジシャーベットやイタリアンジェラード、抹茶アイスクリームなど7種類のレシピが掲載されている。さまざまな材料を試してみて、自分だけのオリジナルアイスクリームを作ってもいいかもしれない。筆者としても、これからどんなアイスを作ろうか実に楽しみだ。材料の配合や保冷ポットの冷却など下準備はけっこう面倒だが、機器の使い勝手自体にはなんの不満もない。アイスクリームが好きな人にはぜひオススメしたい逸品だ。
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