パナソニック「TH-42PZ700」に見るプラズマの進化:フルハイビジョン42V型(2/2 ページ)
50型以下ではフルハイビジョン化が難しいとされたプラズマ方式にあって、他社に先駆けてそれを実現したパナソニック「TH-42PZ700」。リビングルーム需要の主戦場である40インチ台に投入された、非常に気になるテレビだ。今回はパネルの進化と新しい「低反射パネル」に着目して話を聞いた。
もう1つの大きな変更点が「低反射クリアパネル」だろう。これは、パネルというよりは前面のガラスに貼り付けたフィルムと表現するほうが正しい。
まず、下の2枚の写真を見比べてほしい。左は「TH-42PZ700」、右は昨年発売された65V型のプラズマVIERAだ。明るい蛍光灯の下で、どちらも画面の中に部屋の様子が移り込んでいる状態だが、写真を拡大すると違いがわかる。
65V型の画面では、テーブルの上に置かれた資料や奥にある巨大VERAリモコンのボタンまで判別できるのに対し、「TH-42PZ700」ではかなりぼやけ、“白いテーブルがある”ことくらいしか分からない。外光を素直に反射する従来モデルと異なり、「TH-42PZ700」では外光の多くを拡散させるアンチグレアフィルターを備えているためだ。
低反射クリアパネルは、PDPの弱点と言われてきた“映り込み”を抑えるのが目的で、実際にその効果は見て取れる。もっとも、プラズマの映り込みが問題視されたのは、量販店の店頭など明るい場所で画面が白っぽく見えてしまい、液晶と比較したときに不利だったため(パナソニックは“家庭の明るさは店頭の10分の1”程度のため問題ないと再三指摘していた)。つまり今回のアンチグレアフィルターは、画質的なメリットより“店頭対策”の意味合いが強いように思える。
逆に、光を拡散させるフィルターが画質にどう影響するのか気になるところだが、少なくとも実際の画面は十分に明るい。パナソニックは同機の画面輝度を公表していないため本当に「従来機と同等」かは不明だが、少なくとも“遜色ないレベル”といって良いだろう。
また画質については、BSデジタル放送を録画した「ロード・オブ・ザ・リング」などいくつかの映像を見せてもらったところ、従来のVIERAとは絵作りの方向性が変わっていることに気づいた。これまでは、どちらかというと“色のり”がリッチで、このため映像によっては肌色が赤っぽく感じることもあったのだが、今回はあっさり気味だ。肌の色というよりも透明感を感じさせる印象で、個人的には好ましく感じる。ただ、従来の絵作りを気に入っている人には淡白に見えるかもしれないので、店頭で実際に確認することをお勧めしておきたい。
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