いつも清潔な歯ブラシを使える気持ちよさ――歯ブラシ除菌機:橘十徳の「自腹ですがなにか?」第9回(2/2 ページ)
歯磨きを念入りに行う人でも、歯ブラシの除菌のことまで考える人は少ない。でも冷静に考えてみると、毎日、口の中に入れるものなのに、磨いたあとはコップに入れて放置するだけというのは不衛生だ。そんなワタクシが購入したのが“歯ブラシ除菌器”である。
実際に製品が到着して初めて気付いたが、実はこの製品にはボタンが1つもない。正面のパネルには「UV/DRY」と「POWER」の2つのランプがあるだけだ。ランプの横にはゴムの突起が2つあり、最初はこれをボタンかと思ったが、なんのことはない、上部の歯磨き収納ホルダーのドアカバーが開いたときのクッションの役割をするだけのものだった。
ボタンがないのにどうやって操作するのかというと、カバーを開けて歯ブラシをホルダーに差し込み、再びカバーを閉めるだけである。これだけでUVランプが点灯して除菌が始まる。除菌ランプは10分間経つと消灯し、その後3時間おきに5分間ずつ反復除菌が行われる。また、除菌とは別に背面のファンによる乾燥もカバーを閉めてから2時間行われる。
その後、除菌と同じように3時間おきに30分間ずつ乾燥が行われる。これらの動作はすべて全自動なので、使用者はただ歯ブラシを出し入れするだけで余計なことを考えずに済む設計になっている。
ユーザーによってはこまめに設定時間を変えたいという人もいるかもしれないが、この製品の場合は消費電力が4ワットと少なく、また乾燥のファン音もほとんど聞こえないので、自分としてはカスタマイズの必要性はほとんど感じなかった。ただし、暗い中だとカバーを開閉するだけでいちいちUVランプが光るので、これが煩わしいと感じる人もいるかもしれない。もちろん紫外線が直接人に当たらないようにカバーにはUVカット処理がされているのだろうが、半透明なのでそれなりに光量があるのだ。この点は、できたら透明でないカバーに変更できるようにしてくれると良かったと思う。
電動歯ブラシユーザーは注意が必要
歯ブラシのホルダー部分は分解して清掃できるようになっているのだが、分解するときに背面のネジを2個取り外す必要があり、これが少々面倒くさい。ドライバーを使わずに気軽に脱着ができるようにしてほしかった。
さらにもう1つ、歯ブラシの保管ホルダーは通常の歯ブラシ専用となっていて、柄の部分が長くないと下にストンと落ちてしまう。だから電動歯ブラシのカートリッジを除菌する場合や、幼児用の歯ブラシの場合は注意が必要だ。上位機種の「ESA-600」は電動歯ブラシのカートリッジに対応しているので、電動歯ブラシユーザーはこちらを選ぶ方がいいだろう。ただ、「ESA-201」でも、ホルダー部分にテープなどを貼って開口部を狭くしたりと、一工夫加えれば使えなくもない。
清潔な歯ブラシで気持ちの良い歯磨きを
色々と注文を書き連ねたが、全体的には非常に満足している。ちなみにこの記事の担当編集である編集部のSは、「歯ブラシ除菌器って興味はあるんだけど、1万円近くするとちょっと……」と言っていた。確かに歯ブラシは毛先が開いてしまえばすぐに買い換えるものであり、100円ショップなどに行けば安く売っている。「こまめに新品を買えばいいじゃん」という考え方もあるだろう。
ただ、やはりいつでも清潔な歯ブラシを使えるというのは精神衛生上、とても気持ちがヨロシイ。とくにこの製品の場合は乾燥機能が付いているので、いつでも乾いたクリーンな状態にしておける。たとえ歯ブラシをすぐに買い換えるにしても、このような快適さを考えると、けっして高くはないと個人的には思う。あなたもぜひこの製品で、歯ブラシの衛生化を図ってみてはいかがだろうか?
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