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幻想的な夜を演出するカメラ――キヤノン「IXY DIGITAL 810 IS」(2/4 ページ)

キヤノン「IXY DIGITAL 810 IS」は、手ブレ補正機構を内蔵した光学4倍ズームのコンパクトデジカメだ。レンズシフトをブレ補正以外の用途に応用した「ファンタジーナイトモード」が興味深い。

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ファンタジーナイトモードを試す

 ファンタジーナイトモードとは、撮影の瞬間にレンズ群の一部を動かし、画像に特定の形のブレを作り出す機能だ。単にレンズを動かすだけでは画像全体がブレてしまうが、被写体として点光源のある夜景を選び、ストロボをスローシンクロ発光させることで、ストロボ光が当たった部分は静止して写り、点光源のみがレンズの動きに沿った形を描く、という仕掛けである。

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ファンタジーナイトの効果選択画面

 使い方は、まずモードダイヤルを「SCN(スペシャルシーン)」にセットし、FUNC.メニューから「ファンタジーナイト」を選択。次いでDISPボタンを押し、星形やハート型など6種類の効果の1つを選択する。ストロボは自動的に発光モードとなり、シャッター速度は自動的に低速になる。後はシャッターを押すだけだ。

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通常のスローシンクロ発光モードで撮影
photophoto ファンタジーナイトモードの星型(左)とファンタジーナイトモードのハート型(右)

photophoto ファンタジーナイトモードの×型(左)とファンタジーナイトモードの音符型(右)

 上のテストは室内撮影のため、電球の光の影響を受け、被写体であるボトルまでブレてしまったが、より光量が乏しい夜の屋外なら、被写体のブレは目立たない。できるだけ多くの点光源が入る背景を選ぶのが、効果を華やかにするコツだ。星型やハート型の大きさはズーム位置によって異なり、ズームをテレ側にするほど形が大きくなる。

 昔からある撮影テクニックとして、長時間露光の際にカメラを動かす、あるいは被写体となる人物が手に持った懐中電灯などの光源を動かして、光の軌跡によって形や文字を描く、という撮り方がある。テクニックというより、撮影の遊びの一種だが、そんな撮り方をカメラの機能として実現したユニークな試みといっていい。

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ファンタジーナイトモードで撮影。夜景にきれいなハート型の光跡が生まれた

 欲を言えば6種類以外のバリエーション、例えば一筆書きの文字や好きなメッセージを登録・入力できれば、より面白かったかもしれない。もっとも、お遊び的な付加機能なので、それほど追求する必要はないのかもしれないけど。

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