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写真を公開する楽しみ――ニコン「COOLPIX S51c」レビュー(4/6 ページ)

ニコン「COOLPIX S51c」のウリは、撮った写真を無線LANですぐに送れること。お気に入りの1枚をアップしたり友達のケータイにメールしたりして、写真を公開する楽しさがある。

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 モードキーを押すと画面に円形のモードメニューが表示され、それをロータリーセレクターで選び、OKを押すとモード変更可能という具合だ。

 撮影モードは通常の撮影・Hi ISO(高感度モード)・シーンモード・録音・ムービーの5種類。

 さらにMENUボタンを押すと細かい設定が可能になる。


撮影時にMENUキーを押すと撮影メニューとなる。設定できる内容はさほど多くなく、あえて最低限に抑えてあるようだ

 ただ、撮影モードやMENU表示にしたら、明示的にそこから抜けないと(OKやMENUキーを押すなど)撮影状態に戻れないのは、戸惑う点だ。多くの機種では、そういう状態でもシャッターボタンを押せば即座に撮影状態に戻る設計になっており、その方がシャッターチャンスを逃さない。

 全体として、ワンアクション多くボタンを押させられる感じがある。快適さより、間違いが少ないインタフェースを、という考えかと思う。

 初心者向けということでいえば、ISOオート時やHi ISO時に画面に撮影ISO感度が表示されないし、シャッタースピードや絞り値が表示されないのも気になる。絞り値はともかくシャッタースピードは手ブレのみならず被写体ブレにも影響するので、何らかのガイドが欲しいところ。

 もうひとつ特筆すべき機能としてあげるべきは、顔認識。上面の「フェイスクリアーボタン」を押すと、顔認識モードになる。COOLPIXはいち早く顔認識機能を搭載したが、後発の各社に比べて顔認識率や認識のスピードに難があり、実用性はあまり高くなかった。今回のモデルは、トップクラスの顔認識機能に比べると反応速度や認識の幅がやや劣るが、以前のモデルに比べるとずいぶん早くなり実用性も上がった。


再生時は3インチの大きなモニターを利用して右にサムネイルが左に選んだ写真が表示される。ロータリーセレクターで写真を選ぶ。ここでOKを押すとフルスクリーン表示となる

 再生ボタンを押すと再生モードになり、モードキーを押したときのメニューも再生モード用になる。

 この再生モードにカレンダーやMy Picturetown、BGM付スライドショーを作ってくれるPictmotion機能がはいっている。

 再生時はロータリーセレクターを回すと順番に写真が変わっていくというインタフェースになっており、なかなか分かりやすい。ロータリーセレクターで写真を選んでOKを押すとその写真がフルスクリーンで表示される。

 が、残念なのは、再生機能とメール送信やMy Picturetownが独立している点。一般に、再生機能で再生しながらアップロードしたい写真を選んで……という流れが分かりやすいかと思うが、再生はあくまでも「再生」であり、アップロードやメール時はそれぞれ専用の画面で写真を選ばないといけない。もうちょっと再生とメール送信とMy Picturetownの連携がうまくできてたらよかったと思う。


バッテリーは薄型で、CIPA規格で約150枚撮影可能。底面の専用のコネクタで充電する

無線LANのこういう使い方は面白い

 そんなわけで、幅広く使えるように設計した(と思う)分、カメラ慣れした人には不自由を感じる操作系が目立つのは残念。

 でもデザインはスリムかつ個性的でなかなかいい。

 画質は室内でのホワイトバランスに不安定なことがあるし、発色ももっと鮮やかでいいかと思うが、それに関しては「ビビッド」カラーにすればいいし、高感度時の絵もISO800以下ならそう悪くない。

 無線LAN機能は、複雑なことはできないものの、とりあえずマクドナルド(などBBモバイルアクセスポイントがあるところ)へ行けば誰でもさっと写真を転送できるなど、敷居が高くなりがちが機能をシンプルにまとめあげたのはすごい。

 無線LANアクセスポイントさえ見つかれば、「撮った写真をその場で送れる」というケータイ並の機動力を発揮できる。

 ニコンだけじゃなくて、各社が共同でこういう公衆無線LANを使った写真のアップロードサービスを展開し、さらにそこにアップした写真をカメラからも見られるようになっていけば(古い写真をネットから呼び出すという感覚)、面白くなっていきそうだ。そうなったら、公衆無線LANの利用者が増え、アクセスポイントも必然的に充実していくだろうしね。

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