楽天とアクトビラは10月22日、両社の業務提携を発表。同日よりデジタルテレビ向けサービス「アクトビラ」にてインターネットショッピングモール「楽天市場」の提供を開始した。
アクトビラは対応テレビへブロードバンド回線を通じ、情報や映像などを配信するサービス。2007年2月より静止画とテキストによる情報提供を、9月にはVoD形式での動画配信を開始している。対応テレビも増加しており、パナソニック/ソニー/ビクターの現行薄型テレビが対応しているほか、37V型以上のシャープ製テレビも対応している。東芝も対応を表明しており、対応製品が今後登場する見込みだ。
今回開始された“アクトビラ版楽天”では、「マウスがない」「解像度がPCより低いケースが多い」などテレビならではの特徴・特質をふまえ、画像を多くするなど一部のUIを見直し、「見てすぐわかる作り」(同社)を取り入れた。PC/携帯版との最大の違いは、「店舗ページ」という概念がないことで、「楽天市場」というショッピングコンテンツがアクトビラへ追加された格好となる。なお、アクトビラでは現在、紀伊国屋やコメリなど10のショッピングコンテンツが展開されている。
商品の選択についてはジャンル選択のほか、「おすすめキーワード」「最近チェックした商品」「最近検索したキーワード」なども用意し、可能な限りリモコンからの文字入力を行わなくても目的に商品へたどり着けるようナビゲートする。フリーワード検索も可能。なお、PC/携帯の楽天市場で購入可能な商品は、出店者側が拒まない限り、基本的にはすべて購入可能となっている。
決済はQRコードを利用した携帯版楽天市場のシステムを利用するほか、PCへメールでURLを送信することで、PC版楽天市場のシステムも利用できる。なお、一度PCへメールを送信すれば宛先のアドレスはCookieで保存されるため、次回からは入力なしで送信できる。
現時点では携帯ないしPCを介しての決済しか行えないが、楽天側としてはマルチデバイス対応を推進する考えを以前より表明しており、可能な限り早くテレビだけで購入を完結させる仕組みを構築したい考えだ。
「これまで楽天はPC向け、携帯向けとサービスを拡大してきたが、今回、テレビ向けのサービスを開始することで“楽天に触れる時間の拡大”を狙いたい」(楽天 執行役員 和田圭氏)
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