わが家に「リトルヘンリー」がやってきた:橘十徳の「自腹ですがなにか?」第15回(2/2 ページ)
英Numaticの「Henry(ヘンリー)」をご存じだろうか? クリクリとした目とニコッと笑った口元が魅力的な掃除機である。しかし大きな掃除機は買えないので、今回はヘンリーの弟分「リトルヘンリー」を購入してみた。
上部の黒カバーの横にはスライド式のロック機構が左右に配置されていて、これを引き出すとカバーが外れる。中にはホースやクリーナーヘッドが収納されている。ヘンリーといえば、顔の鼻にあたる部分から象のようにホースが伸びるデザインが特徴だが、このリトルヘンリーも同じようにホースを鼻に取り付けるようになっている。
蛇腹ホースは少し華奢で、無理をするとすぐに破けそうなので注意が必要だ。蛇腹ホースの先には折れ曲がったチューブを取り付けて、その先にはさらに中身が見えるクリアチューブを2つ取り付ける。そして最後にクリーナーヘッドを付ければ完了だ。クリーナーヘッドにはレバーのような突起があるが、これはただの飾りで、普通の掃除機のようにフローリングと絨毯でブラシを切り替えたりはできない。
これらのホース関連パーツがすべて分割されて収納されているほか、なんとここには小型の箒とちり取りまで入っていて、これには爆笑してしまった。掃除機の中にこんなものを入れるとは、さすが大英帝国というべきか、日本のメーカーには絶対に思いつかないセンスだ。確かにこのセットを子どもにあげれば、掃除の楽しさに目覚めるかもしれない。
軽いゴミなら意外と吸える
電源は単二形乾電池が4本。AC100Vと比べるとその非力さは比べるべくもないが、ここはなるべくパワーが出るように高いアルカリ乾電池を入れてやる。まあ長期的に使うことを考えたら、ニッケル水素充電池を使う方が経済的だとは思うが。ちなみに電池ケースは底面にあり、開けるにはドライバーでネジを外す必要がある。子ども向けのおもちゃなので、大人しか開けられないようにドライバーで固定してあるのだろう。少々面倒だが、これは仕方ない。
さて、いよいよ運転だ。スイッチは背面にスライド式のレバーがある。動かしてみると、意外や意外、デスクの上のゴミをけっこう吸ってくれる。綿埃など軽いゴミならまあまあ使えるようだ。もちろん絨毯に絡まったゴミについてはまったく歯が立たないが、机の上の軽い掃除に、サブとして使うなら十分アリなのではないか、という印象を持った。ちなみに吸い込んだゴミはダストカップに入る仕組みで、背面から引き出して取れるようになっている。ただ、ゴミを捨てる口が少し狭いので、ゴミが目一杯入っている場合は取り出しにくいかもしれない。
ヘンリーくんと暮らす楽しみ
1つ気になるのは、この商品は「リトル」といえど、けっこう場所を取ることである。ホースを付けたまま転がしておくと意外にかさばるのだ。かといって使うたびにいちいちホースをつなぐのも面倒である。実は本家のヘンリーには「Henry House」という家の形をしたディスプレイ用のスタンドがオプションで用意されている。これにヘンリーをセットした姿がまたカワイイのだが、できればリトルヘンリーにも同じようなオプションを用意してほしかった。
また、本家ヘンリーは色が黄色や緑色などさまざまな色が選べるが、リトルヘンリーは赤のみで、これも寂しい。本家を持っている人の中には色を合わせたいという人もいると思うし、色のバリエーションを増やしてくれることを期待したい。
まああくまでもおもちゃではあるが、あの独特のデザインを手元に置ける楽しみというのは、他には代え難い。本当にごくわずかだが実用性もないわけではないので、ヘンリー好きな人は買ってみてはいかがだろうか。もちろん本来の使い途通り、子どもに買い与えるのもオススメだ。
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