フロントサラウンドの究極形――2スピーカーの「NIRO」
niro1.comが上下2スピーカー構成のフロントサラウンドシステム「Spherical Surround System」を発表。フロントサラウンドの弱点である「後方の音」を改善した。
niro1.com(ニロワンドットコム)は10月31日、フロントサラウンドシステム「Spherical Surround System」(スペリカル サラウンド システム)を12月後半より販売開始すると発表した。価格は13万8000円。
「NIRO」といえば、「NIRO 1000 SYSTEM」や「NIRO 600」などHRTF(頭部伝達係数)を用い、壁面など反射を利用せずに1ボックスでサラウンドを実現するシステムで知られるメーカーだが、新製品ではついにスピーカーユニットを「Spherical Surround Base Speaker」(FL+C+FR)と「Spherical Surround Top Speaker」(LS+RS)に2分割している。ただし、分割されたスピーカーユニットは前後に配置されるのではなく、利用者の前面、画面の上下に配置するユニークな構成となっている。
製品の構成は3.5インチコーンを3基搭載した「Spherical Surround Base Speaker」、2.5インチコーンを2基搭載した「Spherical Surround Top Speaker」、6.5インチコーンを搭載したサブウーファー、専用アンプ。専用アンプはデジタル4系統(角形光×3、同軸×1)、アナログ2系統の入力端子を備え、Dolby Digital、DTS、AAC、Dolby Pro LogicIIの各フォーマットに対応する。
最近では薄型テレビの普及に従い、テレビラックと一体化するようなスリムなデザインのフロントサラウンドシステムが多く登場しているが、その多くは1台のキャビネットに複数のスピーカーを搭載しており、隣接したスピーカーから発せられる信号は相互干渉してしまっていた。その干渉はリア用信号の位置情報にも影響を及ぼし、結果的には後方からの音の弱さにつながっていた。
新製品はそうした「干渉の排除」と「省スペース性」を両立するために、スピーカーユニットを分割し、信号干渉を低減することで、フロントサラウンドシステムの弱点とも言えた後方からの音をよりクリアに再現する。また、2つのスピーカーユニットを上下に配置することで、高さ方向の立体感を作り出すことにも成功、「Spherical」(球形の)名にふさわしい音場を再現するという。
「今までのフロントサラウンドでは後ろからの音がどうしても足りない。それを補いたくて新製品を開発したが、今まで聞こえなかった音も聞こえるようになった。フロントサラウンドのひとつの究極形を作り出せたと思っている」(同社 専務取締役 中道理氏)
本製品のベストなリスニングポジションは設置場所から2〜3メートル程度離れた正面だが左右幅も1〜1.5メートルほど確保されており、ソファーに複数人が腰掛けてという一般的なリビングでの利用シーンにもマッチする。また、フロント/リアスピーカーの設置間隔はある程度広くとも問題なく、スクリーン上部と床ほど離れていてもサラウンド音響を体感できる。
各ユニットのサイズは、Spherical Surround Top Speakerが200(幅)×92(高さ)×87(奥行き)ミリ・0.9キロ、Spherical Surround Top Speakerが354(幅)×121(高さ)×158(奥行き)ミリ・2.4キロ、サブウーファーが400(幅)×240(高さ)×160(奥行き)ミリ、5.4キロ、アンプが200(幅)×55(高さ)×296(奥行き)ミリ、2.2キロ。
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