KDDI研究所は11月19日、ビデオの再圧縮やアナログ変換を行っても消えないMPEGビデオ電子透かし技術「MPmark」を開発したと発表した。
同技術は主に著作権の保護を目的に、動画の再圧縮やアナログ機器へ録画した際などもコンテンツに埋め込んだ電子透かしが消えない特徴を持つ。例えばHDDレコーダーや編集ソフトなどで再圧縮、VHSなどのアナログ機器に録画変換した場合も電子透かし情報は保持される。
著作権情報のほか、一定時間ごとに透かし情報を切り替えて挿入する「透かし切替埋め込み機能」で、1つの映像コンテンツへの多くの情報挿入も可能にした。字幕を録画しないレコーダーで録画された映像も電子透かし表示対応プレーヤーの利用で、あらかじめ埋め込まれた字幕情報を表示できるようにするといった字幕挿入・表示システムとしての応用などが想定される。
MPmarkは、同社のMPEG ハンドリングSDK「MP-Factory Ver.5」のモジュールに含まれる。このSDKを用いたデモアプリケーションを、11月20日から開催する国際放送機器展 InterBEE 2007で参考展示する。
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