「水平解像度1000本」に迫る日立のBDカム「DZ-BD9H」
日立製作所は新型Blu-ray Discビデオカメラ“BDカム Wooo”「DZ-BD9H」の説明会を開催した。CMOSは画素数こそ既存モデルと同等ながら、解像度を高めた新型が採用されている。
日立製作所は1月30日、22日に発表した新型Blu-ray Discビデオカメラ“BDカム Wooo”「DZ-BD9H」に関する説明会を開催した。
DZ-BD9Hは同社が昨年8月に発表した「DZ-BD7H」「DZ-BD70」に続く、Blu-ray Disc+HDDのハイブリッドビデオカメラ。DZ-BD7Hより大容量となる60GバイトのHDDも搭載しており、HDDには1920×1080ピクセルのフルHD映像を最長約9時間録画できる(HXモード)。Blu-ray DiscドライブはBD-R/REのほかDVD-R/RW/RAMへの記録が行え、BD-R/RE利用時には、約1時間のフルHD映像が保存できる。
撮像素子はDZ-BD7Hと同じく、1/2.8インチ 総画素約530万画素(動画有効画素数207万画素、静止画有効画素数432万画素)のプログレッシブ 原色フィルター付きCMOSだが、フィルターの一部を含めて新設計となっており、S/N比の改善や水平解像度の向上を実現している。
DZ-BD9Hの開発にあたって最も注力したのが高画質化とのことで、DZ-BD9Hの水平解像度はDZ-BD7Hに比べて約10%向上しており、その本数は「1000本に迫る」(同社)とのこと。被写体の動きに応じてブロック(16×16画素)単位でフレームまたはフィールドの予測と処理方法を切り替える適応型動き予測制御技術「MBAFF」も高解像度撮影に最適化すべく処理アルゴリズムの改良が行われている。
最低被写体照度はDZ-BD7Hの24ルクスから15ルクスへ引き上げられているが、これは色分解フィルターの材質変更によるセンサー感度向上と、映像の場面を分析し、情報量に応じたノイズ低減処理をダイナミックに行う新適応雑音除去処理「ADNR」の最適化による画像ノイズ低減で実現されている。
ハイビジョン撮影へのニーズが高まるビデオカメラ市場だが、同社は昨年8月の「DZ-BD7H」「DZ-BD70」に加え、新製品「DZ-BD9H」「DZ-HD90」を投入することで2008年春にハイビジョンビデオカメラのマーケットでシェア15%の獲得を目指す。同年秋には「新しい仕掛け」(同社 コンシューマ事業グループ 商品企画本部 本部長 吉野正則氏)を投入し、20%を狙う考えだ。
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