キヤノンの最終兵器? メモリ記録で小型化と高画質を両立させた「iVIS HF10」:レビュー(2/4 ページ)
ついにキヤノンからメディアをメモリのみとしたAVCHDビデオカメラが登場した。コンパクトながら奥行き感のあるHD映像を撮影可能で、“キヤノンのメモリ型ビデオカメラ”を待っていた人も、コンパクトなHDビデオカメラが欲しい人にもお勧めだ。
付属バッテリ「BP-809」は本体にすっぽりと収まるスタイルで、FXPモードの場合は約50分の撮影が可能(実使用時間)。別売の「BP-819」なら倍の容量(1780mAh)が確保できるが、奥行きも倍近くになってしまう。取り回しを考えると、「BP-819」に置き換えるよりは、BP-809を買い足したほうがよさそうだ
電源はボタン式で、モードダイヤル(手前から静止画撮影/動画撮影/動画再生/静止画再生という並び)とは独立している。また、記録先のメディアは、メニュー内の「メモリー実行」画面にある「動画記録」「静止画記録」で、「内蔵メモリー」か「カード」を選んでおく形式だ。この点は「HDR-UX20」と同様といえるが、再生時に関しては、タブ形式で対象メディアを容易に切り替えられる。
電源ボタンは本体上部のくぼんだ部分に配置されており、さらにやや埋没したような格好になっているため、誤って押してしまうことはないが、一方で少し押しづらいともいえるだろう。ズームレバーやスタート/ストップボタンなど、そのほかのボタン類は問題なく操作できる。
また、以前からキヤノンのビデオカメラでは、ダイヤルもしくはジョイスティックによるメニュー操作を採用しており、FUNC(ファンクション)ボタンを押すことで、撮影時であれば撮影モード(AEやシーンの選択)、測光方式、ホワイトバランスなどのマニュアル設定を、再生時であればプレイリスト追加や消去などの編集を行える。
レンズカバーは内蔵式で電源(あるいはスタンバイ)と連動して自動的に開閉する。フラッシュの上にある正方形の部分はハイスピードAFに使用する外測センサーで、通常のTTL-映像信号検出方式に外部位相差測距方式を組み合わせることで、素早いピント合わせを実現している
コンパクトな「HF10」ではほかのキヤノン製ビデオカメラにもまして、この操作方式が調和しているようだ。(ファインダー非搭載ということもあって)ジョイスティックは液晶画面のすぐ左に配置されているうえ、操作感覚は軽く、さほど力を入れなくてもカーソル移動や決定(押し込み)を行えるため、操作はなかなか快適だ。
撮像素子はやや小型化したものの、キヤノンならではの撮影品質を見事に継承
今回は動画・静止画ともに記録先を内蔵メモリに設定した状態で使用したが、電源を入れてから撮影モードの画面が表示されるまでにかかる時間は5秒弱。これはソニー「HDR-UX20」とほぼ同じ程度であり、いずれも起動は高速な部類に入るといえる。また、クイックスタート機能も装備されており、液晶画面を閉じるだけでスタンバイ状態に移行してくれる。再度開くと、約1秒で撮影待機状態に復帰可能だ。
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