エフエム東京は4月1日、デジタルラジオの実用化試験放送にて送信していた「701ch」「702ch」「703ch」を同日午前2時をもって休止した。
同社は実用化試験放送を利用した本格的な放送を2006年12月より開始、701/702/703chについては、それぞれ「ENERGY」「MAGIC」「NEWS CHANNEL」の名称で音声のみならず動画やデータ放送もあわせたかたちで放送を行ってきた(エフエム東京、デジタルラジオの本格放送を開始)。
今回の休止について、同社ではその理由を「有料課金サービスに注力するため」としている。これまで同社が放送を行ってきたこの実用化試験放送の免許主体はデジタルラジオ推進協会(DRP)であり、現在の免許では有料課金サービスの実験が行えない。そこで同社は免許種別の変更などをDRP側へ求めてきたが対応は行われなかったため、休止を決定したという。休止に伴いDPRで放送帯域の確保できるA会員は返上するが、DPRへの参加は継続する。
同社では有料課金サービスを含めた、「フルバージョン」とも呼べる3セグメント放送の実験を福岡のユビキタス特区で行う計画を明らかにしており、この実験でノウハウを蓄積しながらDRP側の環境整備を待ちたいとしている。
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