新開発マイクで高音質“音楽”録音、三洋がリニアPCMレコーダー新製品
三洋電機がリニアPCMレコーダー「ICR-PS1000M」を発売。新開発のX-Yステレオマイクを搭載し、ヤマハとコラボレートした「音楽録音」モデル。
三洋電機は4月11日、リニアPCMレコーダー「ICR-PS1000M」を4月下旬より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は3万5000円前後。
同社のビジネス向けICレコーダーと同じく“DIPLY TALK”のブランド名を冠するが、中ヌケすることなく自然なステレオ録音が可能となるX-Y型ステレオマイクを搭載するほか、ヤマハの協力によるチューニング技術を導入するなど、「音楽」の録音を重視したモデルとなっている。
録音入力レベルを5つの周波数帯域ごとに調整可能なイコライザーや録音時に低周波成分をカットするローカットフィルター、録音レベルメーターとPEAKランプを使って60段階の録音感度調整が可能なレベル調整機能、過入力を自動感知してゆがみを抑えるピークリミッター機能など、音楽録音に適した多彩な機能を備える。
新開発のLSI「DIPLY ENGINE II」を搭載することで低消費電力化も進めた。単三形アルカリ乾電池1本利用のICレコーダーしては「世界最長」(同社)という約50時間のMP3録音が行えるほか、リニアPCM録音時でも約22時間30分の録音が行える。パッケージには「エネループ」が付属しており、本体に充電池をセットしたままPCのUSBを利用しての充電が行える。メモリは内蔵しておらず、microSDメモリーカードを利用する(microSDHC対応)。
録音フォーマットはPCM(.WAV)とMP3。PCMについてはCDレベルの量子化ビット数16bit/サンプリング周波数44.1kHz/ビットレート1411Kbpsと、DVDビデオレベルの16bit/48kHz/1536Kbpsの2モードを用意。MP3についてもサンプリング周波数は44.1/20.05/16kHz、ビットレートは320/192/128/64/32Kbpsが用意される。なお、任意にサンプリング周波数/ビットレートの組み合わせることはできず、下記の「録音モード」を選択しての録音となる
録音モード | サンプリング周波数 | ビットレート |
---|---|---|
リニアPCM | 48kHz | 1536kbps |
リニアPCM | 48kHz | 1411kbps |
MP3 | 44.1kHz | 320kbps |
MP3 | 44.1kHz | 192kbps |
MP3 | 44.1kHz | 128kbps |
MP3 | 22.05kHz | 64kbps |
MP3(モノラル) | 16kHz | 32kbps |
本体下部には指紋センサーを搭載しており、第三者からの操作を防止できる。また、このセンサーはポインティングデバイスとしても利用可能で、本体操作音が録音されてしまう事態を防ぐことも可能だ。サイズは約46.5(幅)×約129.5(高さ)×17.5(奥行き)ミリ、約92グラム(電池含む)。
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