“REGZA”の新フラグシップ、「ZH500」の実力を探る(1)(3/3 ページ)
東芝の「46ZH500」は、2008年春にほぼフルモデルチェンジを行った“REGZA”のハイエンドモデル。同社製品では従来から積極的にサポートされているが、レビューではあまり陽の当てられなかった録画機能にまずフォーカスしてみた。
繰り返し予約も簡単
月〜金、毎×曜日といった繰り返し録画予約も録画日時の手動設定で行えるが、繰り返し録画用には連ドラ予約機能を備えている。電子番組表の情報をもとに、「毎週×曜日」「月〜金」といった繰り返しパターンまで自動設定してくれるので、録画日時を手動予約するよりもこちらの方が間違いない。またキーワード追従も可能で、キーワードの初期値には電子番組表の番組名(サブタイトルなども含まれる場合が多い)が設定されるが、これを余分な情報を含まない番組名だけにしておくと、電子番組表とマッチングを行い、より確実に繰り返し録画を実行してくれる。
繰り返し録画のスケジュールは事前に確認できるため、ドラマの最終回などに多い放送時間枠の拡大はもちろん、放送時間が不確定な深夜帯の番組の録画でも安心だ。連ドラ予約で録画された番組は、録画番組一覧でも「連ドラグループ別」として予約単位で一覧もできる。もちろん連ドラ予約機能はドラマだけに機能するのではなく、どんな番組の繰り返し予約にも使える。
録画予約の管理などは全て「レグザリンク」のメニューに含まれる。ちょっと連想しにくいと思うが、一度分かってしまえば、なんてことはない。録画予約の一覧や、手動予約などもここで行えるため、便利に使うことができる。
単体レコーダーと比べても遜色のない操作性
では再生系の操作はどうだろうか。録画番組を再生するには「レグザリンク」ボタンを押し、メニューから「映像を見る」を選択する。これで録画先の一覧が表示され、選択すると一覧が表示される。NASを選択したときは内蔵HDDやUSB HDDよりも一覧表示まで2〜3秒余分に待たされるが、それでも10秒以上かかることはなかった。
RDシリーズのようなフォルダ機能は、NASでのみ利用できる。その代わりといってはなんだが、曜日別、ジャンル別、さらに連ドラ予約別の一覧が用意されており、見たい番組を探すのにそれほど苦労することはないだろう。ページスクロールも利用できるため、見たい番組を探すのにイライラすることはまずなさそうだ。
NASでのみサポートされるフォルダ機能は、ショートカットを作成することで独立した録画先と同様の扱いになり、録画先としての指定もできる。RDシリーズのように録画予約時に番組名から作成できたりはしないが、これはこれで便利だ。おそらくNASを利用するような人はヘビーに録画するだろうから、任意にフォルダ分けできるのはやはり便利なはずだ。
再生操作も単体レコーダーと比べて見劣りする部分は見当たらない。内蔵HDD、USB HDD、NASに録画した番組に対しては番組毎レジュームにも対応する。放送視聴中などにいきなり再生ボタンを押しても、最後に見ていた番組を前回の停止位置から再生する。つまり番組再生をちょっと中断して、用事を済ませてから再生といった場合でも、いちいち番組を選ぶ必要はない。また最後の選択を常にカレントするようになっており、録画先の選択や録画番組一覧の選択でも常に最後に使用したものがカレントになる。これはRDシリーズの伝統そのものだ。
再生中には、4段階の早戻し、早見再生が可能で、内蔵HDDとUSB HDDから再生する場合のみ、2倍速での早聞き再生も可能だ。既に触れたように25秒送りや5秒戻しといった、ちょっと進む、ちょっと戻るという便利な機能も備えている。動作のレスポンスも良く、この点はNASからの再生でもほとんど変わらない。また初めて再生する番組や一度最後まで再生した番組を再生開始すると、先頭から5秒程度の位置から再生するが、これは予約録画時にマージンとして5秒ほどの早く録画を開始するためで、この分をわざと飛ばしているのだ。こうした細かな心配りには改めて感心させられる。
レコーダーとしての基本機能を見回すと、単体レコーダーに対して見劣りするのは、録画先が複数あるために操作ステップが若干増えてしまっている点と、インデックス機能を含めて編集機能が一切ないことだろう。いや、もちろん光学メディアにダビングする機能は備えないわけだが。
今回はREGZA ZH500のレコーダーとしての基本機能に触れた。開発陣が協力しているのか、単に参考にしただけなのかは分からないが、RDシリーズのポリシーが色濃く反映されており、使い勝手、機能ともに並の単体レコーダーを上回る部分もある。光学メディアに残せないという制限が問題にならないのであれば、ヘビーな録画ユーザーでも十分に使える機能性を有しているといえそうだ。
次回はDLNAサーバーへのダビング機能、ワンセグ録画機能、DLNAクライアント機能など、レコーダーとしての付加価値の面を検証していこう。
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