キヤノン、バスケット型ケース採用の昇華型フォトプリンタ「SELPHY CP770」:狙いは“子育てママ”
キヤノンは昇華型フォトプリンタ「SELPHY CP770」「SELPHY CP760」を発表した。CP770は付属品収納ケースを同梱した新コンセプトのモデルだ。
キヤノンは5月7日、昇華型熱転写方式の小型フォトプリンタ「SELPHY CP770」と「SELPHY CP760」を発表した。CP770は6月中旬に、CP760は5月15日に発売する予定だ。いずれも価格はオープンで、量販店での実売価格はCP770が1万5000円前後、CP760が1万3000円前後と予想される。
小さな子どもとその母親をターゲットにした「SELPHY CP770」
CP770は、2007年6月に発売された「SELPHY CP750」の後継機に相当する製品だが、外観から中身までを一新している。小さな子どもとその母親に想定ユーザー層を絞り込み、新たに「ラブ キッズ プリンター」の愛称が付けられている。機械に強くない母親でも手軽に使えるように、メカを感じさせる外観や画像加工などの付加機能は排除し、本体デザイン、説明書、付属品に至るまでユーザー層に合わせて製品コンセプトを統一し、親しみやすさや分かりやすさを重視したという。
具体的には、付属品をまとめて収納して持ち運べるハンドル付きの収納ケース(バスケット)を同梱したほか、プリンタ製品としては珍しいが、マタニティグッズなどではよく見かけるオレンジとホワイトのツートーンカラーを採用したり、十字ボタンを中心としたシンプルな操作系を搭載するなどの工夫が見られる。
操作を簡便化するため、ユーザーによる画像加工やトリミングの機能は省かれているが、上位モデルの「SELPHY ES2」と同様、画像データの中から人の顔を検出し、顔を中心に明るさとコントラストを補正する「自動写真補正」機能と赤目補正機能を搭載した(自動写真補正機能は画像に顔がない場合でも明るさとコントラストを補正する)。そのほか、日付入り印刷、レイアウト印刷、マイカラー(すっきり、くっきり、白黒、セピア、ポジ)印刷に対応している。
液晶モニタは約11.5万画素の2.5インチTFTパネルを装備。内蔵のカードスロットは、SDメモリーカード(SDHC対応)、miniSDカード(miniSDHC対応)、MMC(MMCplus、HC MMCplus、MMCmobile、RS-MMC対応)、CF、マイクロドライブ、メモリースティック(PRO対応)、メモリースティックデュオ(PROデュオ対応)をアダプタなしで使用できる。IrSimple対応の赤外線通信ポートとPictBridge対応のデジタルカメラ接続用USBポート、PC接続用のUSBポートも持つ。
インクは一体型の専用カセットを用いており、イエロー、シアン、マゼンタの各色をプリントした後、オーバーコート層によるラミネート加工を施すことで、水滴や指紋による色にじみや、紫外線やガスなどによる退色からプリントを守る仕組みだ。印刷解像度は300×300dpi、階調数は256階調/色。用紙は、L判、ポストカードサイズ、カードサイズ、ワイドサイズから選べる。公称の印刷時間はL判1枚で約43秒となっている。
本体サイズは248(幅)×156.4(奥行き)×77.3(高さ)ミリ、バスケット収納時のサイズは276(幅)×174(奥行き)×205.8(高さ)ミリ。重量は本体が約1060グラム、バスケットが約410グラムだ。オプションでは、Bluetoothユニットやバッテリーパックが用意されている。
コンパクトボディのスタンダードモデル「SELPHY CP760」
CP760は、2007年6月に発売された「SELPHY CP740」の後継機に相当する製品で、液晶モニタを2.0インチから2.5インチ(約11.5万画素)に大型化し、CP770と同様の操作系や自動写真補正機能を新たに採用している。
こちらはバスケット型の収納ケースが同梱されず、赤外線通信やオプションによるバッテリー駆動には対応していない。デザインはCP770と異なるスクエア型のボディを採用しており、本体サイズは180(幅)×126.7(奥行き)×73.1(高さ)ミリ、重量は約900グラムとなっている。それ以外の仕様はCP770と共通だ。
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