さっそく「ダビング10」を試す(3)――アナログダビングが可能に
「ダビング10」を試すシリーズも3回目。今回は、ダビング10の隠れたメリットといえる“アナログダビング”を取りあげ、コピーワンス時代との違いを確認してみよう。
「ダビング10」を試すシリーズも3回目。対応ファームウェアのアップデートとBDメディアへのダビング、デジタルCATV STBとBDレコーダーによるi.LINKダビングに続き、今回はダビング10の隠れたメリットといえる“アナログダビング”を取りあげたい。
ダビング10では、デジタルダビングが9回+ムーブ1回に緩和されたほか、アナログ入出力端子を経由したダビングも大きく変わった。ダビング10の運用規定では、アナログ映像出力と光デジタル音声出力に関しては、1世代までのコピーが何度でも可能だ。アナログダビングした番組はコピーワンスとなり、その後はムーブしかできないが、それでも“何度でも可”は大きなポイントだろう。なお、アナログ出力の解像度にも制限はないが、現在のところハイビジョン対応のアナログ入力(D端子やコンポーネント端子)を持つレコーダーは存在しないため、結果的にSD解像度となる。
今回もパナソニックのBDレコーダー「DMR-BW800」と同社製デジタルCATV STB「TZ-DCH2000」を組み合わせ、STBの内蔵HDDにある番組をBDレコーダーでダビングする。ただし接続はi.LINKではなく、S端子とコンポジット端子だ。
まず、コピーワンス時代の動作を確認するため、TZ-DCH2000で7月4日以前に録画した地上デジタル放送番組(コピーワンス)を再生。同時に外部入力に切り替えたBDレコーダーで録画を開始する。すると、「コピー禁止信号を検出しました。録画できません」という警告が表示され、レコーダーがストップした。
次に7月4日以降に録画したダビング10番組をTZ-DCH2000で再生。同じようにBDレコーダーの録画ボタンを押すと、今度は何の警告も出ずに録画が開始された。分かってはいたが、実際にレコーダーが動作するところを見るとうれしいものだ。しかも、同じ番組を何度でも録画できる。
HDDに録画した番組は、SD解像度のVRデータ。「再生ナビ」(録画番組一覧)上のコピー制御アイコンは、ダビング可能回数を示す数字がない「コピー禁止」マークだ。もちろんCPRM対応メディアへのムーブは可能なので、今回はDVD-RWに書き込み、HDD上から消去されるところまで確認した。
このハイビジョン時代にアナログダビングが可能になってもメリットを感じる人は少ないかもしれないが、一部には明らかにメリットのある製品も存在する。例えば東芝「REGZA」のHDD内蔵モデル。コピーワンス時代は、一度HDDに録画した番組をほかのメディアに保存することはできなかったが、ダビング10番組はデジタル放送録画出力端子を使い、DVDレコーダーやビデオデッキにダビングできるようになった。HDDが満杯になったり、不調になったとき、画質はともかくとしてバックアップできる状況になった。
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