第100回 デジタルカメラと基本の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(4/4 ページ)
なんとこの連載も100回目。栄えある(?)今回は、デジタル一眼レフの基本について。持ち方からコンパクトデジカメの違いまでをお伝えしたい。
さてここで、やっとライブビューの話。最近のデジタル一眼レフはコンパクトデジカメのように液晶モニターを見ながら撮る「ライブビュー」可能な機種がどんどん増えている。
ライブビューの時、デジタル一眼レフのAFはどうなっているのか。
- (1)ライブビュー時はミラーを上げて撮像素子に常時光を当て、その映像をモニターに流す
- (2)構造上、ミラーが上がっているとAFセンサーに光が当たらない=ライブビュー状態では位相差検出AFが使えない
の2つがキモとなる。ライブビュー状態では高速な位相差検出AFが使えないのだ(例外の機種もある)。
そこで多くのデジタル一眼レフは2つのモードを用意している。
- a.素直にコントラスト検出AFを使う
- b.撮影の瞬間だけいったんミラーを下げて通常のAFを行い、またミラーを上げてシャッターを切る
この2つを選べるのだ。
a.だと「AFが遅い」。レンズがコントラスト検出用になってないから、コンパクトデジカメより遅いくらいだ。コントラスト検出を行うにはレンズを動かして合焦位置を探す必要があるのだが、コンパクトデジカメに比べて一眼レフのレンズは重くモーターへの負担も大きい。
実際には機種やレンズによってAF速度に相当の差があるが、高速な機種でも位相差検出AFに比べると遅いのだ。
b.だとシャッターを切るたびにミラーをアップダウンさせねばならないのでタイムラグがあるし、ミラーアップ時に画面がブラックアウトするのでどこにピントがあったか、どのタイミングで撮れたかがよく分からない。
それでも、a.の場合はマニュアルフォーカスと組み合わせることで、三脚を使ってマクロ撮影をするときなど、画面上の任意の位置で画面を見ながら細かいフォーカシングが可能になるというメリットがあるし、b.の場合はファインダーをのぞけないシチュエーションでも撮れるというメリットがある。
メリットとデメリットが分かってて使うなら、いざというときとても役に立つ機能である。
ただし、ソニーの「α300」と「α350」だけは話が違う。
ライブビュー時にメインの撮像素子を使わず、カメラのペンタ部に「ライブビュー専用のCCDセンサー」を搭載するという技を使ったからだ。ミラーが反射した光をライブビュー専用CCDでとらえ、その映像を液晶モニターに流すことで、ミラーボックスやAFは光学ファインダーを使うときと同じ構造でライブビューを可能にした。
だからα300とα350のライブビューは結構高速で快適に使える(ペンタ部に余計なパーツが入ったせいで、光学ファインダーが小さくなったという欠点はあるけど)し、液晶モニターがチルトするというメリットもあるので、この2機種はライブビューで普通に撮ってOKだ。
そういう意味で、面白いデジタル一眼レフといっていい。ちなみにこの構造を最初に採用したのはオリンパスの「E-330」だったりする(もう発売されてない過去のモデル)。
最後はかなり余談になっちゃったが、次回はいつもの調子に戻って、水着である。お楽しみに。
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