「新宿ピカデリー」でシャープの108V型液晶を見た:さっそく行ってきました
新宿3丁目の新しい顔になりそうな“真っ白なシアター”「新宿ピカデリー」。2名で3万円の「プラチナルーム」などラグジュアリーな部分に注目が集まりがちだが、それだけではない。
7月19日にオープンする「新宿ピカデリー」は、新宿3丁目の新しい顔になりそうな“真っ白なシアター”だ。地上12階建ての4階から11階までをシネマコンプレックスとして、10のスクリーンを設置。総座席数は都内最大級の2237席である。とくに“2名で3万円”というVIP感漂う個室型バルコニー席「プラチナルーム」の存在は、松竹系シネマコンプレックスの新しい試みとして注目されている。
ただし、新宿ピカデリーの新しい試みは、ラグジュアリーな部分だけではない。例えば上映はすべてデジタルシネマ方式とし、デジタルシネマサーバからコンテンツを各スクリーンに配信する仕組み。サラウンドスピーカーにはコンサートなどに使用されるJBLの大型スピーカーを世界で初めて導入した。さらにエントランスではガラス柱にはめ込んだ液晶ディスプレイがさまざまな映像芸術を発信するなど、最新のテクノロジーをふんだんに活用したハイテクシアターなのである。
その象徴的な存在といえるのが、3階メインロビーの中央に設置された108V型の液晶インフォメーションディスプレイだろう。吹き抜けをエスカレーターで上っていくと横に現れる大きな画面は、シャープの亀山第2工場で第8世代マザーガラスから“1面どり”された液晶パネル。幅2.5メートル、高さ1.5メートルもあり、重量は195キログラムにおよぶ。
もっとも、吹き抜けの空間的な大きさも手伝ってか、108V型が自然にとけ込んでいる。場所がシネコンだけに、来客が大きなスクリーンに慣れていることもあるかもしれないが、存在を強調することはない。しかし、多くの照明に加えて外光も差し込む明るい空間でも見やすさは失われていない。
松竹の映画興業部では、液晶ディスプレイを導入した理由を「白を基調としたデザインの明るい空間の中でも、輝度が高く、高いコントラストで表示できるため」と説明している。とくに“映像芸術のミュージアム”をうたう新宿ピカデリーにおいては、従来の紙製ポスターよりも映像による演出効果を狙う意図もあるようだ。「それに、ポスターのはり替え作業は手間とコストもかかりますから」(松竹)。
新宿ピカデリーに導入された液晶ディスプレイはほかにもある。例えばチケットカウンターの情報インフォメーション用には65V型が並び、離れた場所からも上映中の映画や空席情報を確認できる。またドリンク・フードコーナーにはメニューボードに埋め込まれる形で52V型を設置しており、“動くメニュー”として機能する。こちらも存在を主張するわけではなく、周囲にしっかりとけ込んでいる印象だ。
これまで、映画館などのインフォメーションディスプレイは、サイズの都合もあってプラズマが利用されるケースがほとんどだった。今回のケースは、液晶の大画面化と低コスト化、性能向上を背景として、プラズマの守備範囲に液晶が切り込んでいく意図を示したものといえそうだ。
新宿の新名所「新宿ピカデリー」の概要は以下の通り。3万円のプラチナルームにはなかなか手を出せないが、一度足を運んでみてはいかがだろうか?
スポット | 新宿ピカデリー |
---|---|
所在地 | 新宿区新宿3丁目15番15号 |
最寄り駅 | 地下鉄「新宿3丁目」、JR「新宿」 |
スクリーン数 | 10 |
総座席数 | 2237席 |
公式サイト | http://www.shinjukupiccadilly.com |
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