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BDで凝ったビジュアルを堪能――「ヴィドック」本山由樹子の新作劇場

フランスのデジタル映像のパイオニア、ピトフのビジュアルセンスが光る初監督作。後に「キャットウーマン」を世に送り出す監督とは思えないほどの、面白さ!

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ヴィドック(Blu-ray Disc)

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 フランスのデジタル映像のパイオニアであるピトフが放つアクション・ミステリー「ヴィドック」が、8月6日にBlu-ray Discで登場。

 特典はピトフ監督とジャン・ラバス(美術)によるオーディオ・コメンタリー、メイキング映像、監督インタビュー、脚本ジャン=クリストフ・グランジェのインタビュー、ピトフ+ギョーム・カネ+イネス・サストルインタビュー、ストーリーボードアーティストのファビアン・ラカフインタビュー、マスクVFX解説、ギャラリー、「Hope Vol.2」ビデオクリップ、予告編などを収録している。

 19世紀、革命に揺れるパリの街に、「ヴィドック死す」というショッキングなニュースが流れる。大泥棒から一転、警察の協力者となり、世界初の私立探偵事務所を開いた伝説の探偵、ヴィドック(ジェラール・ドパルデュー)が、炎燃え盛るかまどに落ちて命を落としたというのだ。

 ヴィドックは当時、世の中を揺るがせていた連続殺人事件を探り、その事件の鍵を握る“鏡の顔を持つ男”を追っていた。ヴィドックの相棒ニミエ(ムサ・マースクリ)と、彼の伝記を執筆する作家エチエンヌ(ギョーム・カネ)は、死の真相をつきとめようとするが……。

 本国フランスで2001年9月に公開され、3週間で200万人を動員する大ヒットを記録。ヴィドックは、日本での知名度は低いが、フランスでは誰もが知っているという実在の人物で、「レ・ミゼラブル」のモデルやTVシリーズにもなった。

 本作で監督デビューを飾ったピトフは、「エイリアン4」「ロスト・チルドレン」「ジャンヌ・ダルク」などのVFXマンとして知られた人。なので、映像へのこだわりも相当なもの。撮影には全編でデジタルカメラを使用し、独特の色調を生み出している。

 いきなりクライマックスから始まり、結末からさかのぼり謎を解いていく演出も見る側の好奇心をあおり、最後まで飽きさせない。とても後に「キャットウーマン」を撮った監督とは思えないほど面白い。余談だが、「キャットウーマン」は見事にゴールデンラズベリー賞の4冠に輝き、主演のハル・ベリーはラジー賞の受賞式に出席、観客の拍手喝采を受けたというのは有名な話だ。

 ヴィドックにフランス映画界の重鎮ジェラール・ドパルデュー(「仮面の男」「あるいは裏切りという名の犬」)、作家エチエンヌを「ザ・ビーチ」のギョーム・カネ。怒とうのように繰り広げられる凝ったビジュアルは、高品質のBlu-ray Discで見るには最適。「キャットウーマン」で懲りた人も、これは必見ですよ。

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