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霧の中の“何か”より恐い人間の疑心暗鬼――「ミスト」本山由樹子の新作劇場

キャッチの“驚愕(きょうがく)のラスト15分”は、まさに衝撃だった。スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督による本作は拾いモノのミステリー!

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ミスト 通常版

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 「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」に続く、スティーヴン・キング原作&フランク・ダラボン監督の3度目のコンビ作にして初のミステリー・ホラー「ミスト」が9月17日にDVD化される。

 通常版(3990円)と特典ディスクがついた2枚組のコレクターズ・エディション(5460円)の2バージョン。通常版はダラボン監督によるオーディオコメンタリーのほか、キャスト・スタッフプロフィール、日本版劇場予告編、US版オリジナル予告編集、Web用メイキング、ダラボン監督とS・キングのインタビューなどを収録。

 コレクターズ・エディションの特典ディスクには、監督が当初考えていたモノクロ版本編、削除シーン、ポスターアーティスト、メイキング、シーン35の撮り方、クリーチャー・メイキング、FX技術などを収録。24ページのブックレットも封入。

 アメリカ・メイン州西部の全域が、かつてない激しい雷雨に見舞われる。その翌日、デヴィッド(トーマス・ジェーン)と幼い息子ビリー(ネイサン・ギャンブル)が地元スーパーマーケットに買出しに行くと、濃い霧が立ち込め、視界ゼロの状態に。ほかの買い物客がスーパーの外に出た瞬間、霧に潜む正体不明の巨大生物に襲われてしまう。立ち往生を迫られる中、「終末の時が来た」と説く狂信的な女性の存在で店内の人々は混乱していく。霧の正体とは?スーパーに閉じ込められた人々の運命は?

 映画ファンならジョン・カーペンター監督の「ザ・フォッグ」(1980)を思い出すだろう。だが、今回は恐怖の種類が違う。「ザ・フォッグ」は霧の中に殺された船員たちの亡霊が潜んでいたが、この「ミスト」では霧の中の潜む“何か”が恐いというより、恐怖で疑心暗鬼になり常軌を逸する人間の方が恐ろしい存在と位置づけている。小さな田舎町だから住民同士はもちろん知り合いであり、スーパー内はたちまち異様な雰囲気が漂い、一触即発の状態になる。これは確かに恐い。

 劇場公開時には“驚愕のラスト15分”とあおっていたが、決してその期待は裏切られることはなかった。モンスター系B級映画と思っている人は損をします。これは拾いモノのミステリー・ホラー、必見!

関連サイト:http://www.mistmovie.jp/(公式サイト)

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