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ネット猟奇殺人の恐怖――「ブラックサイト」本山由樹子の新作劇場

ネット上の公開殺人、捕らえられた被害者の生死を決めるのはアクセス数。絵空事とは思えないネット犯罪を描いたサイコ・スリラーの佳作。

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ブラックサイト(Blu-ray Disc)

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 サイバー猟奇殺人を巡るサイコ・スリラー「ブラックサイト」が、9月24日にBlu-ray Discで登場。

 特典はグレゴリー・ホブリット監督&ホーク・コッチ(製作)&ポール・イーズ(美術)によるオーディオコメンタリー、「ブラックサイト」を追跡する、キャストの人物像、殺人の仕掛け人たち、3つの死体の他、Blu-ray Discのみの特典としてピクチャー・イン・ピクチャーで見る撮影の舞台裏、BD-LIVEを収録。

 FBIサイバー捜査官のジェニファーが捜査する“Killwithme.Com”は、アクセス数で人を死に至らしめる殺人中継サイトだった。ネット上に映る、捕らえられた被害者たち。彼らの生死を決めるのは、罪悪感もなくアクセスする人々。サイコ・キラーの目的は何なのか。手掛かりをつかみかけたジェニファーと同僚に魔の手が迫り来る。

 オープニングは、犯人が仕掛けたビデオカメラの主観映像で幕を開ける。そこは薄暗い地下室。子猫が、粘着式ネズミ捕りの仕掛けにはまり、身動きできないでいる。パソコンのモニターにはアクセス数を示すカウンターがあった。FBIはサイトを強制閉鎖するが、犯人は移転と無限コピーを繰り返し、サイトそのもののの閉鎖には至らない。しかも犯人の使うサーバーはFBIの管轄外であるロシアだった。子猫の映像は一週間に渡り垂れ流され、アクセス数は増えるばかり。一度閉鎖されたサイトが再び立ち上がった時、今度は、もがき苦しむ中年男性の映像が映し出されていた……。

 誰でもどこでも気軽にインターネットが楽しめる時代になったからこそ、成り立つ映画である。インターネットは便利な反面、落とし穴も多いことは周知の事実。本作でも、想像を絶する危険と恐怖が待ち受けている。しかも、それが絵空事の物語ではなさそうだから、恐さも倍増だ。

 アクセス数で人が死に、ネット利用者も殺人の片棒を担ぐことになるのが、本作のポイント。見てはいけないと言われれば言われるほど、ついつい見たくなってしまうのが人間の悲しき性というもの。公開処刑で行われる拷問の過激さは「ソウ」「ホステル」などに共通する。

 主演は「運命の女」「ジャンパー」のダイアン・レイン。ハードな仕事をこなし、スッピン、目の下にクマという少しくたびれた四十路過ぎの女をリアルに体現している。監督は「ジャスティス」「真実の行方」のグレゴリー・ホブリット。

 現実の社会でも起こり得るネット犯罪の恐怖を描いた、サイコ・スリラーの佳作。

関連サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/untraceable/(公式サイト)

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