第102回 真夏と夜空と打ち上げ花火の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)
夏の風物詩といえば花火。打ち上げ花火は夏の夜を彩る大輪の華だが、写真に収めるのはなかなか難しい。今回はそのコツを伝授しよう。
ときどき予想外に明るい花火が一斉にやってきて、あわててシャッターを閉じても間に合わないこともある。
逆にひとつひとつの花火が明るすぎなければ超ロングシャッターでも撮れる。
こちらはいろんな種類の花火が何発も上がったので、全部をいっぺんに入れてみようかと23秒と超ロングシャッターにした。でもここまでいろんな花火をいっぺんに写し混むと何がなんだか分かりませんな。
最近の花火が数カ所から連続してどかどかと上がる。迫力があってみている分にはいいけれども、撮る方としては次の花火がどの打ち上げ位置からどのくらいの高さまで上がる分からないので大変だ。
ひとつの花火だけをきれいに収めたいときは、縦位置にするのがいい。下からしゅる〜と上がって上でドンと開く姿をきれいに表現できる。
あらかじめ打ち上がる位置と高さを予測して撮影。
こうすると、しゅるる〜と上がった軌跡と花火と両方を撮れる。
でも花火が打ち上がった瞬間に撮らないと上昇していく玉の軌跡は撮れない……ことはないのである。
実はこの2枚。花火が開く瞬間に撮影をはじめ、次の花火が打ち上がっていくところで止めているのだ。同じような花火が連続して上がるときに使える技。
写真だと下からしゅる〜と上がって花火が開いたように見えるが、実際には上がっていく軌跡は次の花火のもの、というわけ。
よって、打ち上がる瞬間よりも、花火が開く瞬間にシャッターを開くのがいいのだ。その方がタイミングもずっと撮りやすいのである。
単発で、派手さよりも光の軌跡に重点を置いた花火を撮るときは、シャッタースピードを長めにしてもOK。
この辺が基本だ。
花火撮影のバリエーションをつけたいときは、ズームをうまく使おう。
これはちょっとだけ望遠にして、わざとはみ出させて撮ったもの。こんな「燃える金色の柳」のような花火もあるんだなあと感心。
もっと望遠にしてみよう。
少し望遠にするだけで画面一杯の花火を撮れる。望遠にすると花火がどのあたりの高さで開くかを予想しながら撮らないとダメだが、予想なんてそう当たるものではないので、何枚も撮ってみるべし。
それにしても大きな花火大会になればなるほど花火のバリエーションが多くて面白い。
そして一番注意すべきは、花火大会で実際に花火の上がっている時間って意外に短い、ということ。休憩時間も含めると、あっという間に終わってしまう。「ああ、もう一度今の花火を打ち上げて」と思ってもダメ。「失敗した」と思ったらすぐに気持ちを切り替えて次の花火を撮りにかからないと間に合わないのである。
よって失敗してもあとにひきずらず、液晶モニターでの確認も最小限にとどめ、細かいチェックは休憩時間にすべし。
ではよい花火を。
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