黒く光るAVアンプ、パイオニア「VSA-LX51」をこねくり回す:ロードレビュー(2/2 ページ)
北京五輪のAAC 5.1チャンネル放送に刺激され、サラウンドに興味を持った人も多いはず。しかし、どうせ自室のAV環境を再考するならHDオーディオも視野に入れておきたい。そこで今回は、パイオニア「VSA-LX51」を例に最新AVアンプの機能を数回に分けて解説していきたい。
××専用入力端子の作り方
背面は多チャンネルのAVアンプらしく、かなり窮屈な印象。しかし実際に使ってみると、狭いなりによく考えられて配置されていることが分かる。例えば3系統のHDMI入力と1系統の出力は、パネルの隅に縦列配置されていて、HDMIケーブルを接続し直すときなどは上から出力(テレビ)、入力1(BD)、入力2(HDMI1)、入力3(HDMI2)ということを把握さえしていれば、手探りでも作業が行える。
今回、AVアンプに接続した映像ソースは、デジタルCATV用STB「TZ-DCH2000」、BDレコーダー「DMR-BW800」、HD-DVDレコーダー「RD-A300」という完全なデジタル環境のため、基本的には3つのHDMI端子で事足りる。設定画面を呼び出せば、各入力端子をリネームすることもできるため、例えばソース機器の型番(DMR-BW800など)にしておくと、入力を切り替えたときにフロントパネルのディスプレイに表示されて分かりやすい。
同軸/光デジタル音声やアナログ映像入力(D端子、コンポーネント)はインタフェースの種類で分類配置されていて、各入力ソースに柔軟に割り当てることができる。現状では、HDMI端子を持たないDVDレコーダーやCDプレーヤーに利用するのが中心だろうが、今回は分かりやすいように手持ちの「Xbox」(360ではない)を例に設定してみた。
Xboxにはオプションとしてコンポーネント出力アダプタが用意されていて、対応ソフトならハイビジョン表示&サラウンド音声出力が可能。そこでLX51の「コンポーネント入力1」と「光デジタル音声入力3」に接続し、設定画面で「DVR1」入力に「コンポーネント入力1」と「光デジタル音声入力3」を割り当ててみた。あとは「Xbox」とリネームすれば見た目の上では専用端子のできあがり。なお本来の使い方である「DVR」(DVDレコーダー)を接続する場合は、「DVR1」と書かれたS端子/コンポジットの入出力端子と併用すればいい。
ちょっとイレギュラーなこともしたが、こうした接続の柔軟性は、低価格のフロントサラウンド機器にはあまり見られない上、そもそも入力端子の数が全く違う。入力端子に余裕のあるAVアンプならではといえる。また最近ではアップスケーラを搭載するAVアンプが増えており、LX51の場合もアナログソースをHDMIから1080pまでアップスケールして出力可能だ。AVアンプは、AVセレクターとしてもかなり利用範囲を広げているといっていい。
接続が終わったら、いよいよ音場設定に入る。VSA-LX51の場合、付属のマイクを接続して「Advanced MCACC」を起動すれば、手間なしの自動セットアップが行えるから非常に楽だ。次回はこのセットアップ作業から始める。またVSA-LX51は、フラグシップモデルの「SC-LX90」に続いてiPodのデジタル接続にも対応している。こちらもじっくり検証してみたい(次回以降の布石です)。
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