全方位の進化を果たしたパナソニック「DMR-BW930」(後編):BD/DVDレコーダー特集(2/5 ページ)
前回に続き、パナソニックのBlu-ray Discレコーダー「DMR-BW930」を細かくチェックしていこう。今回は、編集、ダビング機能から新しい録画モードが追加された録画品質、大幅に強化されたネットワーク機能などに触れていく。
BD-Rの6倍速書き込みに対応、AVCRECの再生互換性も向上
ダビング機能も旧モデルからの変化が少ない部分だ。BD-R/BD-REメディア、DVD-R(DLメディア含む)/DVD-RW/DVD-RAMへのダビングに対応し、DVD-RWを除くDVDメディアにはAVCREC規格でハイビジョン解像度のままダビングが行える。また新ドライブの採用により、BD-Rへの書き込み速度が最大6倍速に向上した(旧モデルは4倍速)。細かいことだが、DVDメディアへの書き込み速度も旧モデルの2段階から3段階に変更が可能(ダビング時ではなく既定の設定として)になっている。
ダビング機能は、DVD/BDメディアのフォーマットからダビング、ファイナライズまでを自動化し、必要に応じて再エンコードまで行ってくれる「おまかせダビング」と、ユーザーが任意の設定でダビングのみを行う「詳細ダビング」の2つに分かれる。画面デザインは旧モデルからリファインされているが、正確にいえばDMR-BR500とほぼ同じ。VR録画した番組(XP/SP/LP/EPモード)をBDメディアにダビングする際、再エンコードを伴う等倍速(再生時間と同じ)ダビングになる点なども同様だ。なお、高速ダビング、等速ダビングに関わらずチャプター情報は継承されるため、新機能の自動チャプターはダビングした後でも有効に活用できる。
旧モデルでも高速ダビング時(ファイナライズなし)はマルチタスク動作に対応していたが、新製品も同様。1番組のみ予約録画の開始が可能で、録画番組の再生や編集も行える。録画中はダビング操作自体が開始できないといった順序の制限はあるものの、最大のライバルであるソニー機に対するアドバンテージになっている。
また、本機ではAVCRECの音声コーデックが、旧モデルのドルビーデジタル(AC-3)から放送波のストリームをそのまま記録するAACに変更され、他社製品との再生互換性にも問題はなくなった。再エンコードを伴わないため、音質的にも改善されたことになる。
関連する機能なのでここで取り上げておくが、HDD内での画質変換機能もダビング扱いではなく、あくまで変換のまま。つまり、DRモードからほかの画質モードに変換するとオリジナル画質の録画番組は失われてしまう。ダビング10開始後の製品なのでダビング扱いにしてほしかったのだが、この点はかなり残念だ。HDD内ダビングが可能であれば編集機能に対する不満は大いに減ると思う。ただし、画質変換は電源オフ時に自動実行できるなど、使い勝手自体は決して悪くないし、本機の特徴的な機能の1つといえる。
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