無線LAN内蔵SDメモリーカード「Eye-Fi」、日本でも販売開始:撮影&アップをスムーズに
無線LAN機能を内蔵したSDメモリーカード「Eye-Fiカード」が販売される。装着すれば、カードやケーブルの抜き差しなしで、PCやオンラインストレージに転送できる。
アイファイジャパンは12月3日、無線LAN機能を内蔵したSDメモリーカード「Eye-Fiカード」の予約販売を開始した。現在、無線LANの技術基準適合証明を取得中で、年内にも認可を得て出荷を開始する予定。当面はAmazon.co.jp、楽天市場、同社オンラインストアでの限定販売となり、価格は9980円。
Eye-Fiカードは、2GバイトのSDメモリーカードの内部にIEEE 802.11gの無線LAN機能を搭載している。通常のSDメモリーカードと同じようにデジタルカメラに装着して写真を撮影すると、画像データをカード内に保存するのと同時に、無線LANアクセスポイントを通じてPCやオンラインストレージサービスにも転送(コピー)するというもので、撮影した画像をPCへ取り込んだり、いったんPCのHDDにコピーしてからブログにアップロードしたりといった手間が不要となる。特定のカメラのみに対応するのではなく、SDメモリーカード対応カメラであればあらゆる機種で利用できるのが特徴だ。
米国では既に2007年11月から販売されているが、今回の日本での発売が初の海外進出となる。アップロード先のオンラインストレージサービスとしては、米国版製品と同様にFacebook、Flickr、MobileMe、Movable Type/TypePad、my Picturetown、Picasa Web Albums、Snapfish、Voxが利用でき、日本版製品ではFlickrを除きいずれも日本語サイトに対応している。また、日本独自の対応サービスも順次拡大していくとしており、第一弾としてはてなフォトライフと対応に向けた調整を進めているという。
利用にあたっては、初回のみ付属カードアダプターを利用してEye-FiカードをPCに接続し、ユーティリティソフト(Windows XP/Vista、Mac OS X 10.3以降対応)を使ってアクセスポイントの設定を行う必要がある。一度設定を行えば、あとはEye-Fiカードを装着したカメラが電源オンの状態でアクセスポイントのエリア内に入ったとき、自動的にネットワークへの接続が行われる。
カメラで写真を撮影すると、画像データがオンラインストレージにアップロードされ、同時にあらかじめ指定したPCのフォルダにも保存される。Eye-FiカードとPCが同一のネットワーク上にあるときは、PCへの保存はインターネットを介さず直接行われるなど、最適なネットワークパスが自動的に選択される。送信が終わる前にカメラの電源がオフになった場合は、次回オンラインになったとき送信が再開される。
同日行われた記者会見で製品を説明した米Eye-Fi IncのCEO、Jef Holove氏によれば、発売から1年が経過した米国市場では、子供の写真をオンラインアルバムへアップするといったファミリー層の利用が最も多くなっているという。しかし、同社では日本は新しいテクノロジーに敏感な人々が非常に多い市場と分析しており、まずはデジタルカメラや各種デジタル機器の愛好家を主なターゲットとして考えているという。
主要デジタルカメラメーカーのほとんどは日本企業ということからも、同社は日本を重要な市場と考えており、単に米国版製品の輸入販売を行うのではなく、このために日本法人を設立し、日本独自のサポート体制や各社とのパートナーシップ強化を図っていくとしている。
ニコンとは今年1月から提携を行っており、デジタル一眼レフカメラ「D60」「D90」でEye-Fiカードを利用すると、PCを利用しなくてもカメラ上でいくつかの設定変更を行うことができるという。また、同社で公式な対応機器としているのはSDメモリーカード対応デジタルカメラのみだが、Holove氏はブロガーの試みなどによる保証外の情報として、一部のCF型アダプターの使用や、ニンテンドーDSiへの装着でも、画像のアップロードに成功したユーザーがいると話している。
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