ソニーに聞く、BDレコーダーの「2011年画質」とは?(4/4 ページ)
年末商戦期に「2011年画質」というインパクトの強いキーワードを打ち出したソニー。新しい高画質処理回路「CREAS」(クリアス)を搭載し、他社製のテレビに接続しても画質が改善されるとうたう。同社の開発陣に詳細を聞いた。
末永: 自動録画は便利なのですが、予約録画の優先順位などの問題もありますから必ずしも確実ではないんですね。そこで強力な検索機能や自動録画同様に検索条件を設定しておけるお気に入り番組表を使って、録り逃したくない番組は通常の録画予約を行ってもらった方が確実です。通常予約の繰り返し予約でも、番組名を基準にした追従機能も備えていますから確実な録画という点では万全です。その上で自動録画も活用してもらえば、録りたい番組を確実に録画しつつ、自動録画でならではの新しい番組の発見も楽しめます。
デジタル放送の時代になって1週間に約2万番組も放送されているんですね。これを全て電子番組表の一覧でチェックするのは至難の業です。この点で個人の好みに応じた番組を予約録画するという点では自動録画やお気に入り番組表なども非常に便利なのですが、とにかく番組を録画して見てもらおうとレコーダーの基本に立ち返ったのが、新機能の「x-みどころマガジン」ですね。新番組や話題の番組を簡単に確認できるので、録画したくなる番組の発見につながるはずです。とにかくレコーダー使ってもらおうという取り組みです。
――2008年秋冬モデルでは、MPEG-4/AVC録画がフルHD対応となることでスペック的に競合メーカーと並びました。反面、低いビットレートでの録画モードでは1440×1080ピクセル記録を上限にしています。カタログスペックとしても損ですよね。この部分には、なにか明白な理由があるのでしょうか
末永: ハイビジョン放送も地デジは全て1440×1080ピクセルが放送ストリームですから、MPEG-4/AVCでのハイビジョン記録も全て1440×1080ピクセルです。BSデジタルは一部を除けば1920×1080ピクセルのフルHDですから、LSRとLRでは1440×1080ピクセルに記録解像度を落としていることになります。これは画質のバランスの問題で、むしろこだわったからこその仕様です。全てフルHDで記録したほうが見た目の解像度は上がるのですが、ノイズが増えて動きの激しいシーンでの破たんも増えます。LSRやLRのビットレートで動画としての画質のバランスは、1440×1080ピクセルの方が優れていると自信を持っています。
――エンコードチップは変更されてるんですよね
末永: もちろん昨年の製品とは異なるエンコードチップです。技術的な問題でLSRとLRが1440×1080ピクセルに制限されているわけではないです。HighProfileにも対応していますから、圧縮に利用できる機能も増えて昨年の製品より画質も向上しています。新たに4MbpsのLRでハイビジョン解像度に対応しましたが、これも単に他社製品対抗という意味だけではなく、平均ビットレートを保ちつつビットレートの振り幅をより大きく確保するといった点も合わせて、ハイビジョン映像として絵作りが確保できたので採用しました。全てのハイビジョン記録でフルHDに対応しないのはマーケティング的にも不利なので、本当にこの部分は“こだわり”ですね。
末永: 上位機種の「BDZ-X100/X95」に関しては、HDMI出力を2系統備えている点にも注目してほしいと思います。BDビデオを頻繁に楽しむ方ですとプロジェクターを併用されているケースも多いのですが、日常からプロジェクターを使ってテレビ放送まで見るという方はさすがに少ない。日常は液晶テレビ、BDはプロジェクターで、といった使い分けをされる場合が多いです。ただHDMI接続ではケーブルを差し替えるか、AVアンプや高価な切替機を別途購入する必要が出てきます。
BDZ-X100/X95では、技術的制約から切替式にはなりますが、BD-X100のHDMI2系統出力は非常に便利なはずですし、まっとうなHDMI切替機を別途購入するよりお買い得感もあると思います。実装は結構大変だったのですが、苦労したかいがあって2系統出力を利用した場合の画質的も高い評価をいただいています。これからプロジェクターの購入を考えている方も含め、ぜひお勧めしたいと思います。
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