三洋電機、フルHD/プログレッシブ対応の新Xacti
ビデオカメラ「Xacti」に、フルHD/プログレッシブ記録に対応機種が登場。シリーズ初となる横型ボディ採用タイプも用意された。
三洋電機は1月21日、デジタルビデオカメラ“Xacti”の新製品「DMX-HD2000」「DMX-FH11」「DMX-CG10」を2月6日より順次販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格はDMX-HD2000とDMX-FH11が10万円前後、DMX-CG10が4万5000円前後。
フルHD/プログレッシブ記録対応の「DMX-HD2000」「DMX-FH11」
「DMX-HD2000」「DMX-FH11」はいずれも高い処理能力を持つ新画像処理エンジン「プラチナΣ-EXエンジン」を搭載することで、フルHD/インターレース(1920×1080/60i)に加え、民生用デジタルカメラとして世界で初めて(同社)という、新たにフルHD/プログレッシブ(1920×1080/60P)での撮影に対応した。映像コーデックは既存モデルに引き続きMPEG-4/H.264だが、プログレッシブ記録に対応するための新チップが搭載された。
DMX-HD2000は「DMX-HD1010」の後継となるおなじみのグリップスタイルだが、DMX-FH11はシリーズとして初めて横型ボディを採用、本体内に8Gバイトのメモリも備える。撮影に関する基本機能にほぼ違いはなく、横型ボディの採用について同社では「グリップスタイルも定着してきたが、このスタイルに抵抗のある人もいるはず。そうしたひとにも、Xactiの世界に興味と関心を持って欲しかった」と説明している。
撮像素子はいずれも1/2.5型 約810万画素CMOSセンサー。レンズは光学10倍ズームレンズだが、CMOSセンサー上の動画撮像エリアを約500万画素に拡大させた「アドバンストズーム」によって、最大16倍、動画撮影時で44.4〜710ミリ(DMX-HD2000。DMX-FH11は41.7〜666.9ミリ)の撮影が行える(いずれも35ミリ換算時)。
高速読み出しが可能なCMOSセンサーの特徴を生かした高速撮影モードには、新たに「1/4スロー」「1/10スロー」を用意した。解像度が前者では448×336、後者では192×108ピクセルまで低下するが、前者では240fps、後者では600fpsという超高速撮影が行える。また、シャッターボタンを押したままの状態からバッファへ一時的に静止画を保存し続け、撮影ボタンから指が離れた瞬間の静止画を保存する「リバース連写」も備え、シャッターチャンスを逃さない。
このほかにも、フレーム内の被写体の動きベクトルから回転ブレを検出して補正する「マルチぶれキャンセラー」、圧縮効率を10〜15%高めて画質を向上させた3次元デジタルノイズリダクション、動画撮影時に最大12人までの顔を検出してAF/AEを行う「顔検出&追尾」機能なども備える。
記録メディアはSDメモリーカードで、プログレッシブ撮影時にはClass6カードの利用が推奨されている。サイズはDMX-H2000が90(幅)×54.5(奥行き)×112.6(高さ)ミリ、268グラム(本体のみ)、DMX-FH11が53.3(幅)×105(奥行き)×57.3(高さ)ミリ、303グラム(本体のみ)。
10メガCMOS搭載のスリムモデル「DMX-CG10」
DMX-CG10は撮像素子に1/2.33型1066万画素CMOSセンサーを搭載、720p(1280×768 30fps/9Mbps)のハイビジョン動画と最大12M相当(4000×3000ピクセル、画素補完あり)の静止画が撮影できる。既存の720pモデル「DMX-HD800」に比べ体積で約2.5%、重量で約10%のスリム化を図り、携帯性をさらに向上させている。
動画撮影モードには、720pの「HD-SHQ」のほか、640×480ピクセル(60fps/6Mbps)の「TV-HR」、640×480ピクセル(60fps/3Mbps)の「TV-SHQ」が用意されている。映像コーデックはMPEG-4 AVC/H.264(ファイルの拡張子は.MP4)で、映像は2chステレオ/AAC。
光学レンズは40〜200ミリ(動画撮影時)/38〜190(静止画撮影時、いずれも35ミリ換算)の光学5倍ズームレンズで、動画/静止画いずれの撮影時にも有効な電子式の手ブレ補正機能も備える。そのほか、顔検出&追尾機能やリバース連写、3次元デジタルノイズリダクションなどの機能も用意する。
液晶サイズは3型(約23万画素)で、付属充電池「BD-L80」使用時には約40分の実撮影画が行える。本体サイズは72(幅)×38(奥行き)×112.8(高さ)ミリ、約171グラム(本体のみ)。
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