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次世代照明“有機EL”の憂うつ、そして明るさ:ライティング・フェア2013(2/2 ページ)
かつて“次世代の照明”といわれたLEDが急速に普及した一方、同じく“次世代の照明”といわれる有機ELは難しい環境に置かれている。東京ビッグサイトで開催中の「ライティングフェア」で最新の動向を探った。
高効率のパネル、高効率の製造技術
事実、ライティングフェアの会場には、有機EL照明の“光明”になりそうな新技術がいくつも展示されていた。例えばNECライティングが開発した有機ELパネルは、発光効率で75lm/Wを実現。また展示はなかったものの、研究所では2ミリ角のモジュールで156lm/Wという数字も出ているという。「有機ELパネルは潜在的に200lm/W以上といわれている。156lm/Wも通過点に過ぎない」(同社)。
日立製作所が展示した「高効率塗布型有機EL光源」は、70lm/Wという数字もさることながら、製造コストを大きく引き下げる可能性を持つ。同社では、「現在、発光層を形成するために蒸着方式が主に使われているが、真空中で作業をしなければならずコストがかかる。一方の塗布方式はRGBの積層発光層をそれぞれ形成する必要があり、同じ作業を繰り返すために効率が悪い」と指摘。新技術では、塗布方式ながら発光材料の中に「置換基」と呼ばれる特殊な素材を混ぜることで、塗膜の中で発光材料が自然にR層、G層、B層に分かれるという。つまり、「3回塗るのと同じことが1回でできる」。
同社は5月に学会で新技術を発表する予定だ。まだ研究所レベルの技術だが、実用化すれば「生産量は1ケタ上がる」と見込んでいる。
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