第6回 PCならではの利点も──「DLNA系機能」にムフフ:豪華仕様なAV+地デジPC「VALUESTAR W&VALUESTAR G タイプW」ロードテスト(2/2 ページ)
豪華AV仕様のテレパソ「VALUESTAR G タイプW」をAV機器目線でチェックすると、家庭用AV機器にはないPCならではの“キラリ”と光る利点がかなりある。今回はDLNA配信を軸にしたネットワーク連携機能をチェックしてみた
「ネットワーク連携機能」に、PCならではの操作性+汎用性の高さが光る
改めて本機のネットワーク連携機能を確認しよう。
本機の3波トリプルチューナーとプリインストールするAV統合ソフトウェア「SmartVision」により、リアルタイム視聴をしつつ2番組同時録画も行える優れものであり、ネットワーク上にあるDLNA対応機器のコンテンツもネットワーク再生できる。まぁDLNAクライアント機能はそのへんのスマートフォンにも標準搭載されるほど普通の機能になってきたが、本機はそのユーザーインタフェース(UI)がすこぶる使いやすいのに感心する。
例えば、DLNA各機器はフォルダアイコンに並ぶように表示されるので、複数の機器の存在をほとんど意識せず、まるでローカルにある別のフォルダを見ているような手軽さで操作できる。筆者宅はパナソニック「ブルーレイディーガ DMR-BWT3000」をリビングルームで有線LAN接続し、少し離れたシアタールームにある本機はリビングルームにあるブロードバンドバンドルータ経由で無線LAN(5GHz帯40MHz幅デュアルチャネル接続・IEEE802.11n/最大300Mbps)で接続している。実リンク速度は150Mbps前後で、これなら映像ビットレート25MbpsほどのBSデジタルTSデータを2ストリーム伝送したとしてもたいていは不安なく安定して転送できるよう、今回のために環境を整えたが、おかげで無線接続でも普通に快適だ。
フルHDクラスの映像コンテンツを安定して無線伝送するとなると、5GHz帯IEEE802.11nで最大300Mbps通信対応“以上”の無線LANモジュール搭載(と5GHz帯IEE802.11n対応無線LANルータ)の環境がひとまず安心して活用できる昨今の基準ラインだ。この点、5GHz帯IEEE802.11n対応無線LANを標準搭載する本機は最初から安心。さらにPCなだけに、今後のより高速な無線LAN規格の仕様にアップグレードすることもできるだろう。このあたりの柔軟性もAV機器にはないものである。
難点といえば、細かいことであり、DLNAの仕様に基づくものであるのだが……コンテンツのリスト表示がベタな一覧であることだ。家庭用レコーダー機器のようにフォルダによる自動整理は行われないので、目的のコンテンツは一覧よりスクロールして探すことになる。PCの高解像度とマウス/キーボードも併用できる操作性により、確かにリモコンのみで操作するまでの苦労はないのだが、DLNA再生についてはクライアント側でさらなる使い勝手の向上を望みたいところである。
ネットワークダビング機能は、うん、快適だ。PCソフト然とした標準UI、リモコン操作を想定したレコーダー風フルスクリーンUIのうち、標準UIは録画一覧を表示して、そこから1つまたは複数の番組を選択し、右クリックメニュー「ホームネットダビング」で、ネットダビング用画面が憑依される。ここでダビング先を指定するだけで作業は完了だ。家庭用レコーダーはリモコンのみになるので操作・作業が複雑になりがちだが、PCである本機はマウスに持ち替えてスイスイ操作できる。ふとした時にPCの操作性のよさ、汎用性の高さを実感できる。
このようにVALUESTAR G タイプWは、PCならではの操作感とネットワーク連携機能の確実性により、専用AV機器に勝る部分も多いストレスフリーで手軽な操作感を実現するのが大きなポイントだ。とくにネットワーク連携機能は、家庭用AV機器だとありがちな各メーカー特有のくせに縛られることがないのはうれしい。家庭用Blu-ray Discレコーダーは確かに低価格化が進み、お得感のあるモデルも増えているが、本機はなにより、番組録画+番組配信サーバとして柔軟かつストレスなく使える“ならでは”の特長がキラキラ光っている。特にDLNAでのネットワーク配信機能をしっかりと活用したいと思っているAVファン層に、本機のようなテレパソを「こういう選択肢もアリだ。実はかなり使いやすいのですよ」と提案したいのである。
(続く)
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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