ヘッドフォンに出力インピーダンスを合わせる――東和電子からヘッドフォンアンプ内蔵DAC「NANO-D1」が登場:「NANOCOMPO」第3弾
“Olasonic”(オラソニック)から「NANOCOMPO」の第3弾となるヘッドフォンアンプ内蔵DAC「NANO-D1」が登場した。スタイリッシュなデザインに加え、いくつかのユニークな機能を持つ。
“Olasonic”(オラソニック)ブランドの東和電子は6月27日、小型オーディオコンポーネント「NANOCOMPO」(ナノコンポ)の第3弾となるヘッドフォンアンプ内蔵DAC「NANO-D1」を発表した。7月下旬に7万3500円で発売する予定だ。
最大192kHz/24bitのPCM系ハイレゾ音源に対応する据え置き型USB-DAC。ヘッドフォンアンプを内蔵し、手持ちのヘッドフォンやPCと組み合わせればシンプルなPCオーディオシステムができあがる。また同社は、年末に向けてパワーアンプの「NANO-A1」をラインアップする予定で、その際にNANO-D1はプリアンプとして活用できる。
東和電子の山本喜則社長によると、「基本設計は、先に登場したNANO-UA1の技術をさらにブラッシュアップしたもの。電源周りには大容量の電解コンデンサーを使い、アナログ回路にはプラス・マイナス2電源方式を採用してエネルギー感あふれるサウンドを生み出す」という。音質の要となるDACデバイスには、Barr-Brown(TI)の「PCM1792」を採用。IV変換回路とヘッドフォンアンプ部にはBarr-Brownの「OPA2132」を用い、低域を充実させるために出力段はダイレクト出力とした。
入力端子は、USBのほかに光デジタル、同軸デジタルの3系統を用意。すべての入力端子が最大192kHz/24bitに対応するほか、非ハイレゾ音源でも192kHz/24bitにアップサンプリングして処理を行う。このためBurr-Brownのアシンクロナス・レート・コンバーター「SRC-4392」およびクロック生成のために温度補償水晶発振器(TCXO)を備えた。一方の出力はアナログRCAとヘッドフォンだ。
ユニークなのは、USB入力に「96kHz/24bit」と「192kHz/24bit」という2つのモードがあり、フロントパネルの入力セレクターで切り替える仕組みになっていることだ。「96kHz/24bit」モードにすると、Windows環境でも専用ドライバーなしで利用できる。前回の「NANO-UA1」で「ドライバー不要」が好評だったために設けたという。
一方、「192kHz/24bit」モードは同社サイトで公開されるドライバーを導入する必要はあるものの(対応OSはWindows XP以降、Mac OSは192kHz/24bitもドライバー不要)、入力信号が96kHz/24bitでも192kHz/24bitでも自動判別して再生される。一般的な192kHz/24bit対応機と同じと考えていい。
もう1つの特長は、ヘッドフォンに合わせて最適なドライブが行える「ヘッドフォンインピーダンスセレクター」だ。一般に販売されているヘッドフォンは、インピーダンスが8〜300オームと幅広く、「特定のヘッドフォンに合わせてチューニングを行っても、別の別のヘッドフォンを持ってくるとダメだったりする」(山本氏)。このため、NANO-A1の背面には100オームを境に「HIGH」と「LOW」でヘッドフォンのインピーダンスを選択するスイッチを設けた。
同様のスイッチは他社製品にもあるが、「いわゆるゲインコントロールは音量を一定にすることが目的で、アンプの増幅率を変えるだけ。NANO-D1の場合は、音質を目的としてアンプの出力インピーダンスを変更する。ヘッドフォンとのマッチングを図る仕組みだ」(同氏)と話している。
NANO-D1の本体サイズは、149(幅)×22(高さ)×149(奥行き)ミリ。重量は890グラム。ACアダプターやUSBケーブル、3.5ミリステレオミニと6.3ミリステレオ標準の変換プラグなどが付属する。
なお、山本社長によると「NANOCOMPO」シリーズにネットワークプレーヤーを追加することを検討しているという。「DLNA 1.5に特化したシンプルなプレーヤーを考えている。年末を目標にしたいが、東和電子の流儀は“良いものができたらリリース”。詳細は音が出始めてから公表する」と話している。
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