アナログレコードをDSD録音でカジュアルに楽しむ――ソニー「PCM-D100」の提案:もう1つのソニー製ハイレゾプレーヤー?(2/2 ページ)
「PCM-D100」は、始めてDSD録音に対応したデンスケであり、もう1つのソニー製ハイレゾプレーヤーでもある。「欲しいけど、使い途が……」という人に、開発担当者が使い方を提案。
DSD再生も可能、アップサンプリングも生かせる「PCM-D100」
もう1つの提案は、「PCM-D100」を再生機として利用することだ。もともとプロ用録音/再生機として設計されているPCM-D100は、再生機としての素養も高い。
例えば容量の大きいハイレゾ録音に対応するため、内蔵メモリは32Gバイトの容量があり、さらにSDXCまで対応するカードスロットも備えている。DSD 2.8MHzの場合、内蔵メモリだけで10時間50分の音楽ファイルを持ち歩ける計算だ。もちろん、カードを併用すればストレージは無限大。DSD再生機能と合わせ、ウォークマンシリーズにはないメリットがある。
重量は約395グラムというかなり重めだが、一応ポータブル機なので外に持ち運ぶこともできる。ヘッドフォンアンプも内蔵しているため、普段“2段重ね”や“3段重ね”(プレーヤー、DAC、ヘッドフォンアンプをバンドでとめて一緒に持ち歩くこと)を実践している人には苦にならないかもしれない。
内蔵ヘッドフォンアンプにも特長がある。PCM-D100には33万μFの平滑コンデンサーが採用されているが、これはLEDフラッシュなどにも使われるものと同等の大容量。安定した電源供給を可能にしたほか、超低インピーダンスの電気2重層コンデンサーを搭載したことにより、ヘッドフォンアンプの電源を大幅に強化している。「これを付けたからといって、カタログ上の特性は変わりません。しかし、音楽再生時には余韻まできれいに再生できる」と橋本氏。
DACについてはチップなどの詳細は明かしていないが、PCM/DSD両対応の32bitタイプを採用したことにより、24bitの音源に対してもより正確な音で再生できるという。またアップサンプリング機能を内蔵し、非ハイレゾ音源も最大192kHz/24bitに拡張して再生が可能。「音源によっては感じられる効果がある」(同氏)。さらに192kHz/24bitまで対応した光デジタルも備えているため、PCM音源再生時には手持ちのDACと組み合わせて利用することもできるだろう。
最後にちょっと答えにくそうな質問を1つ。「PCM-D100」を再生機として使用した場合、ウォークマンのフラグシップ機「NW-ZX1」と音質的にどう違うのだろうか。
「プレーヤーであるNW-ZX1には“音楽性”も重要です。対してプロ向け録音機であるPCM-D100の場合は“再現性”が第一。あとは好みで選んでもらえればいいと思います」(橋本氏)。
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