在京3局のFM補完放送が12月7日にスタート、裏番組同士が手を組んだ記念特番も:ラジオの歴史がまた1ページ
AMラジオ番組をFMでも送信するFM補完放送が本格始動。TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の在京3局は12月7日に放送を開始すると発表した。
TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の3社は11月17日、FM補完放送(愛称:ワイドFM)の放送開始日を公開した。TBSラジオはFM90.5MHz、文化放送は同91.6MHz、ニッポン放送は同93.0MHzで12月7日の13時から本放送を始める。
FM補完放送は、AM(中波)におけるラジオ放送の難聴対策や災害対策を目的として、FM(超短波)を使ってAMラジオ局の番組を放送するというもの。2011年に放送が終了した地上アナログテレビジョン放送の“跡地”(90.1M〜95MHz帯)を活用し、AMラジオ放送の難聴対策と防災対策を同時に進める。既に全国で半数近い民放AMラジオ局がFM補完放送を開始したか、2016年春までの放送開始に向けて準備を行っている段階だ。
在京AMラジオ局3社(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)は、昨年9月3日に「AMラジオ放送のFM補完中継局」の予備免許を取得し、共同で東京スカイツリーに送信アンテナを設置。10月から試験電波を送信して送受信状況の調査や混信対策などを進めてきたが、「開局のメドが立った」(TBSラジオ)ことから具体的な開局日の公表となった。
裏番組同士が手を組んだ
これまでAM波の難視聴対策に悩まされてきた3社は、音がクリアで受信しやすいFM補完放送の開始を“第2の開局”と位置付け、積極的にアピールしていく。まずワイドFM開局を記念して3社合同の同時生放送を企画。12月7日の12時55分から15時30分まで(FM波での送信は13時から)、開局記念特別番組「FMでもキキマス!ゴールデンたまむすび」の公開生放送を行う。
出演者は、ニッポン放送「大谷ノブ彦キキマス!」のパーソナリティを務める大谷ノブ彦さん、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」から大竹まことさん、TBSラジオ「赤江珠緒たまむすび」の赤江珠緒さんなど。普段は同じ時間帯に放送されている“裏番組”同士が手を組み、共演するという初の試みだ。当日は東京スカイツリーの展望デッキ特設スタジオから送信設備の「火入れ式」の模様なども中継する。「ワイドFMの電波が送信される東京スカイツリー展望デッキから、開局の瞬間を熱くお届けします。ラジオの歴史が変わる一日。ご期待ください」(TBSラジオ)
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